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映画「風立ちぬ」感想再び-楽天エンタメナビ [映画]

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先日、初見の感想を書いた「風立ちぬ」だが、なかなか仕事も忙しくて、再度見る機会はまだ作れていない(たぶん9月末までは見られそうにないな)。

iTunes - Podcasts - 荒川強啓 デイ・キャッチ! by TBS RADIO 954kHz

その後、「風立ちぬ」について言及した論評の中では、8月16日の「デイキャッチャーズボイス」のコーナーで聞ける宮台真司の話と、

TBS RADIO 8月20日(火)たいしたたま - たまむすび

こちらの町山智浩の解説と、

TBS RADIO 東京ポッド許可局 2013年8月17日 第20回 「風立ちぬを見てきた論」 - TBSラジオ 東京ポッド許可局

この番組のサンキュータツオの、戦争映画のリアリティについての意見が面白かった。
いずれもすぐに消されるPodcastなので、聞きたい方は早めにダウンロードしておきましょう。

宮崎監督に対し、昔から女性の人物造形の貧弱さを糾弾している宮台氏だが、今回も全く同じと指摘し、せっかくの零戦開発物語部分の面白さを損なっているとまで言い切っている。
私も、菜穂子の人物像の弱さについては同感なのだが、それが二郎から見た理想の女性像であり、エンジニアとして理想を追い求める二郎の開発物語と矛盾はないと考える。
宮台氏が、女性像に不満を持つのは、以前にも書いたが、宮台氏が、文系人間で、バランス感覚がある人間だからだ。

逆に、町山氏は、私の感覚に近い絶賛。
私は、理系オタク人間の性癖という切り口でとらえたのを、町山氏は、クリエイターの性癖という観点でとらえており、微妙にずれているが、感じていることは非常に近いと思った。
さらに、町山氏のディテールについての解説は、全く気付かなかったことも多く、物凄く参考になった。既に映画を観た人は必聴だ。

二郎は、決して人間として、バランスのとれた人物ではない。芸術肌の理系人間にありがちな、理想を追い求める姿勢は、機械相手では大きな成果を収めるケースはあるが、自分の思い描く理想だけでは、人間相手の恋愛は上手くいかない。
そんなことは、宮崎監督も分かっていて、描いているのだと思う。

文学や映画の世界では、無頼派と呼ばれるような、文系の世界で言ういびつな人格の主人公が、しばしば描かれる対象として肯定される、というか、むしろもてはやされる傾向にある。

なのに、理系の世界で言ういびつな人格というのは、まず文学や映画で取り上げられないし、そうした登場人物を描いても、評価されにくいのは、なぜだろう?

「風立ちぬ」に対する批判で、一番気になっているのは、こうした理系人間の人物像に対する理解のなさ、なのだ。

もう一度映画を見て、考えの整理がついたら、少なくともこの点に絞って、絶対に何か文章を書きたいと思っている。

映画『風立ちぬ』を巡り禁煙派と喫煙派がネットで大論争 | 地震予測検証 / 防災情報【ハザードラボ】

「風立ちぬ」に対しては、もう一つ、日本禁煙学会の要望書をスタジオジブリに提出したことが話題になっている。

私自身は、たばこを吸わないし、受動喫煙もできれば避けたいと思うが、過去を描く作品に対して、現在の法律や倫理をそのまま適用すべき、という発想には馴染めない。

もし、子供たちへの悪影響を言うなら、日本にはちゃんとしたレーティング制度があるのだから、そのレーティング制度の中に喫煙シーンを組み込むよう運動し、「風立ちぬ」もR指定にでもすればいいだろう。

そういう正統的な手段も取らず、安易に表現の自由を制約しようという考え方には、賛同しかねるな。

風立ちぬ
(c)2013 二馬力・GNDHDDTK
映画「風立ちぬ
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