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「All You Need Is Kill」について勘違いしていた [電子書籍]

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今度ハリウッド実写化する『All You Need is Kill』とかいう漫画:わんこーる速報!

「DEATH NOTE」の小畑健が今年連載したマンガ「All You Need Is Kill」が、ハリウッドで映画化され、日本でも7月4日から公開されたことが、話題になっているのは知っていた。

マンガの連載が終了してすぐに映画公開だったため、変な映画の作り方だな、と思っていたのだが、先日、マンガ版を電子書籍で読み面白かったので、ググってみたら、大きな勘違いをしていることに気づいた。

「All You Need Is Kill」は、マンガが原作ではなく、2004年に刊行された桜坂洋著のライトノベル(集英社・スーパーダッシュ文庫)が原作なのだそうだ。

桜坂洋の出世作となったSF小説で、筒井康隆らに激賞され、星雲賞候補作にもなったらしいが、ライトノベルというジャンルの敷居に阻まれて、私は、作家も作品も全然知らなかった。

今回の実写映画版は、2009年にこの小説の米国で英訳版が出た後、ワーナーがその映画化権を取得し、大幅にアレンジを加え、トム・クルーズ主演、ダグ・リーマン監督で2013年度中に製作を開始し、米国では2014年6月6日に公開されたものだ(日本では2014年7月4日公開予定)。
タイトルは、米国では「Edge Of Tomorrow」に変更されたが、日本公開時には小説と同じ「オール・ユー・ニード・イズ・キル」に戻された。

一方、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にて、「All You Need Is Kill」が連載されたのは、今年に入ってから(マンガは全2巻)。

なるほど、今回の映画化は、原作小説の映画化であって、マンガの映画化ではないのか。
道理で、順序関係がおかしい訳だ。
また、そうだとすると、巷でよく言われているように、「登場人物がマンガのイメージと違う」という文句も、的外れということになる。
マンガ版は、映画化の後で書かれ、しかも、映画版のノベライズでもなく、原作小説の漫画化だからだ。

後からマンガ版を出したのは、原作がラノベで作家も名が知られていないとなると、読者層が限られるので、広く読まれるように、急遽マンガ化したのだろう。
「DEATH NOTE」で有名な小畑健が作画なら、映画がヒットすれば、海外でも本が売れるという戦略も、間違いなくあっただろう。

早速、マンガ版に続いて、原作の小説の方も、楽天koboで手に入れて読んでみたが、個人的には、原作小説の方がすっきりしていて読みやすく、面白かった。
もちろん、先に読んだマンガ版も面白いのだが、ややこしいロジックの世界が肝の話だけに、登場人物のキャラや、戦闘シーンなどの激しい画が逆にノイズに感じられてしまった。

お話の舞台は、未来の地球で、異星人が地球に送り込んだロボット「ギタイ」と戦う新入りの主人公兵士の物語だが、主人公が戦闘で死亡すると、何故かそのたびに出撃前日の朝に戻って目が覚めるという時間のループに巻き込まれる。

こうした時間がループする設定自体は、私が知る限りでも、西澤保彦著「七回死んだ男」や、乾くるみ著「リピート」など傑作揃いで、それだけでは、それほど新鮮味はない。
しかし、「All You Need Is Kill」の面白さは、記憶は継続している設定の主人公が、ループする時間の中で、失敗を繰り返しながら、徐々に戦闘に勝つスキルを身につけ、学習し成長してゆく点にある。

読者は、死亡するたびスタートに戻されるゲームのプレーヤーみたいな立ち位置で、ストーリーをなぞる形となる。まさに、現代的なゲーム的世界観だ。
ループする世界設定に密接してうまく張られた伏線も、比較的上手に回収される(多少無理やり感はあるが)。

小説もマンガも長いものではないので、2時間もあれば読み終わる。ライトノベルという性格もあってか、ストーリーの骨格だけでできているような小説だ。
その分、人物描写が幼い、物足りないなどの不満もあるのは確かだが、それを楽しむ小説ではないだろう。


すらるど - 海外の反応 : 「原作と同じくらい面白かったよ!」日本のライトノベル原作のハリウッド映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』海外のレビュー

逆に、同じく2時間近くある映画版が、圧倒的な映像の情報量で、どの程度肉付けをしてあるのか、興味を持ったな。
なので、映画も、機会があれば、是非見に行きたいと思う。

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