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和楽器を使った洋楽の原点 [音楽]

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最近、海外でも和楽器の人気が凄い。といっても、日本から伝統的に伝わる音楽そのものというよりは、和楽器を生かして、現代的なロックやジャズと融合した新しい音楽が、世界に受け入れられつつある状況だ。

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特に、吉田兄弟の人気は海外の方がすさまじく、上妻宏光なども含め、特に三味線という楽器に対する注目度は高い。
彼らの特徴は、力強く繊細な三味線の演奏テクニックと音色を生かしながらも、ロックのバンドサウンドとして見事に融合しており、トータルの印象としては完全にロックであることだ。

こうした和楽器を生かした新しい音楽ジャンルは、受け入れられるまでの歴史は意外と長くかかっている。
それを短く振り返ってみたい。

西洋音楽に、和楽器を取り入れた音楽で、初めて名声を獲得したのは、現代音楽の作曲家・武満徹だろう。


Toru Takemitsu : Ozawa_ November Step

武満徹が1967年に作曲した「ノヴェンバー・ステップス」は、オーケストラに、琵琶、尺八などを取り入れた初めての音楽作品で、武満徹が、現代音楽作家として国際的な名声を獲得するきっかけとなった。


KODO 鼓童 「族」 和太鼓

その後も、現代音楽の分野では、「芸能山城組」や、和太鼓の「鬼太鼓座」とその流れを汲む「鼓童」などが、海外でも知られるところになった。

しかし、ポピュラー音楽の分野となると、こうした試みは、70年代後半まで待たなくてはならなかった。


Hiroshima - ''Hiroshima'' (1979) Full Album

ヒロシマ (バンド) - Wikipedia

ヒロシマ(Hiroshima)は、1974年に日系アメリカ人3世のメンバーにより結成した、アメリカのフュージョンバンドだ。
メジャーのアリスタ・レコードから、1979年にアルバムデビューし、三味線、琴、和太鼓などの和楽器を取り入れた初のフュージョン音楽ということで、話題を呼んだ。

日本版の帯には「日系三世のアイデンティティ」なる宣伝文句が書かれていたように思うが、正直、和楽器の演奏が、ただ音を出せばいいという感じで雑過ぎて、西洋楽器の中で何も生きておらず、日本人として、この宣伝文句に怒りを感じた記憶がある。

そして、和楽器を使ったフュージョンで、初めてこれは素晴らしいと思ったのが、喜多嶋修が1981年に米国でリリースしたアルバム「dragon king(竜王)」だ。

喜多嶋修は、グループサウンズ「ザ・ランチャーズ」のメンバーだったが、解散後渡米し、地道な音楽活動の末、和楽器フュージョンという音楽ジャンルでアルバムデビューを果たした。


喜多嶋修  osamu kitajima "hot strings invasion"

特に、1曲目の「hot strings invasion」は、三味線、鳴り物、尺八といった和楽器を、ジャズバンドやストリングス演奏に見事に融合させた名演奏だ。
三味線も、ヒロシマなどとは違い、しっかりプロの演奏でありながら、バンドサウンドに違和感なく一体化しており、一方、キーボード、ベースのソロもフツーに素晴らしい。

私が知る限り、和楽器と洋楽器の融合に成功したポピュラー音楽は、これが初めてだと思う。残念ながら、この「dragon king(竜王)」というアルバム、現在在庫がなく入手できない。

喜多嶋修というと、女優・喜多嶋舞の父で、妻も女優の内藤洋子ということで、最近だと、喜多嶋舞と結婚した大沢樹生との間の子供に関するゴタゴタ絡みで、名前が出たことがあるぐらいしか知らない人がほとんどだろう。
しかし、私にとって、喜多嶋修は、紛れもなくミュージシャンなのだ。


「the家元」さんの「IPPON CHA3」 1991年 オリンピック祭り

その次に面白い存在だったのは、東京芸術大学卒のメンバーで構成された和楽器ファンクバンド「the家元」だ。
1991年に「オリンピック祭り」というアルバムを出し、「IPPON CHA3」はCMにも使われ、スマッシュヒットした。
「the家元」は、和楽器に加え、長唄の歌い手が参加したファンクミュージックである点が新しかった。
ただ、アルバム2枚を残してすぐに解散。
イロモノ的な扱いを脱するには至らなかったが、長唄の歌い方を洋楽メロディに乗せたのは斬新だった。

そして、音楽文化を広めるボーダレスのメディア「YouTube」が誕生して以降、和楽器は、世界で大人気となっている。


吉田兄弟を見る目は、まるで有名ギタリストを見るのと変わりがない。

三味線や尺八を学びたいと、外国で学ぶ場ができたり、学ぶために日本を訪れる外国人も増えているという。

素晴らしい日本の音楽が、そのまま海外で受け入れられ評価される世の中になったのは、素敵なことだと思う。

ただ、それは突然現れた訳ではなく、こんな和楽器音楽の歴史があったということを、少し書いてみた。

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