T-SQUAREの隠れた名曲(3) Passage Of Clouds(雲路) [音楽]
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彼らのアルバムについて、特に、昔、T-SQUAREがまだTHE SQUAREを名乗っていた時代は「幕の内弁当」みたいだという批判がよくされた。
派手なイントロから、ポップなメロディーラインの曲が始まり、「これぞシングル盤用」という売れ線の曲を交えて、ジャズ色が強い曲、ロック色が強い曲など、バラエティ豊かなラインナップが並び、最後に、バラードで締める。
そして、ヒットを狙った曲が、テレビなどのテーマ曲に採用されてシングルカットされ、それを持ってツアーを敢行し、まさに幕の内弁当的なセットリストで、全国を巡る。
前にも書いたが、当時のTHE SQUAREの音楽は、ジャズの即興演奏よりは、主旋律の方を重要視し、まるで歌の構造を持つ曲も多かったから、単なるジャズファンの枠を超えて人気もあり、CDもよく売れ、ライブも大盛況だった。
それに対し、主にジャズという音楽ジャンルの立場から批判をする人も多く、特に、伝説のジャズドラマー・村上"ポンタ"秀一が、THE SQUAREの音楽を、あからさまに「こんなものジャズじゃない」と批判していたのを覚えている。
それは、結果的に、半分は当たっていたが、半分は外れていたと思う。
確かに、THE SQUAREの音楽は、ジャズの世界から見れば、力量不足でもあり、異端で物足りないものだったかもしれないが、決して売らんがために作っていた訳ではないと思う。
当時の安藤まさひろは、彼が好きな、他にはない音楽性を追求したに過ぎず、それがジャズの枠をはみ出していただけだろう。
彼はそれを今も頑固に続けており、他の音楽ジャンルに分類できない、独自の音楽世界を新たに作ったとさえ言える。
ただ、そう思う私も、THE SQUARE時代のCDのラストを飾るバラード曲は、あまり好きではなかった。
本物の歌でもそうだが、バラードというのは、メロディや歌詞が素晴らしいか、ヴォーカリストとしての力量がよほど素晴らしいかでないと、退屈で平凡だ。
THE SQUAREのバラードは、ほとんどの曲が、歌の構造をしていて、フリーパートもほとんどなく、伊東たけしのサックスが、主旋律を歌のように繰り返して、静かに終わる。
歌詞がなく、曲と演奏のみなのも、本物の歌に対して、弱みとなる。
当時の私には、はっきり言ってどの曲も退屈で、CDでも聴き飛ばすことが多かった。
そんな中で、1986年にリリースされたTHE SQUAREのアルバム「S・P・O・R・T・S」は、それまでのTHE SQUAREとは、一味違うアルバムで、当時、かなり新鮮だったことを覚えている。
最初に聴いたとき、幕の内弁当的な曲構成に変化が見られ、明らかなシングルカット向けの曲が見当たらないことにまず驚いた。
そして、一つ一つの曲の演奏が、それまでにないほどライブ感が強く、曲の構造も、あまり歌モノを意識しない曲が多くて、それまでのアルバムに比べて、演奏を聴きながら、とても爽快感があるアルバムだった。
確か、この頃から、THE SQUAREも、レコーディングをデジタル化したのも、曲作りに影響を与えたのかもしれない。特に生楽器であるドラムスの音の鮮度が、デジタル録音により格段に上がり、トータルの音質も格段に良くなった記憶がある。
そして、最後の一曲にたどり着いた時点で、ここまで全くリリコンが使われておらず、伊東たけしがサックスだけを吹いていることに気づく。そのこと自体、彼らのアルバムづくりでは、異例中の異例だ。
そして、そのアルバムの最後に収録されていたバラードが、この「Passage Of Clouds(雲路)」という曲。
ここで、初めてリリコンが登場する。
そもそも、THE SQUAREのバラードで、伊東たけしがサックスではなく、リリコンを吹くのはこの曲が初めてだった。
静かなキーボードのイントロで始まり、リリコンの主旋律もエモーショナルで、さらに、途中で入る和泉宏隆のキーボードソロもメロディアスで素晴らしい。
そして、アルバム全体の印象を象徴するように、曲のエンディングに向かって伊東たけしのリリコンが疾走し始め、叫ぶようなソロ演奏でフェイドアウトする。
とても印象的な演奏で、今でも彼らの中では一番好きなバラード曲だ。
関連記事:
T-SQUAREの隠れた名曲(2) IN THE DISTANCE(伊東たけし):コンテンツって言い方、嫌いだけど:So-netブログ
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彼らのアルバムについて、特に、昔、T-SQUAREがまだTHE SQUAREを名乗っていた時代は「幕の内弁当」みたいだという批判がよくされた。
派手なイントロから、ポップなメロディーラインの曲が始まり、「これぞシングル盤用」という売れ線の曲を交えて、ジャズ色が強い曲、ロック色が強い曲など、バラエティ豊かなラインナップが並び、最後に、バラードで締める。
そして、ヒットを狙った曲が、テレビなどのテーマ曲に採用されてシングルカットされ、それを持ってツアーを敢行し、まさに幕の内弁当的なセットリストで、全国を巡る。
前にも書いたが、当時のTHE SQUAREの音楽は、ジャズの即興演奏よりは、主旋律の方を重要視し、まるで歌の構造を持つ曲も多かったから、単なるジャズファンの枠を超えて人気もあり、CDもよく売れ、ライブも大盛況だった。
それに対し、主にジャズという音楽ジャンルの立場から批判をする人も多く、特に、伝説のジャズドラマー・村上"ポンタ"秀一が、THE SQUAREの音楽を、あからさまに「こんなものジャズじゃない」と批判していたのを覚えている。
それは、結果的に、半分は当たっていたが、半分は外れていたと思う。
確かに、THE SQUAREの音楽は、ジャズの世界から見れば、力量不足でもあり、異端で物足りないものだったかもしれないが、決して売らんがために作っていた訳ではないと思う。
当時の安藤まさひろは、彼が好きな、他にはない音楽性を追求したに過ぎず、それがジャズの枠をはみ出していただけだろう。
彼はそれを今も頑固に続けており、他の音楽ジャンルに分類できない、独自の音楽世界を新たに作ったとさえ言える。
ただ、そう思う私も、THE SQUARE時代のCDのラストを飾るバラード曲は、あまり好きではなかった。
本物の歌でもそうだが、バラードというのは、メロディや歌詞が素晴らしいか、ヴォーカリストとしての力量がよほど素晴らしいかでないと、退屈で平凡だ。
THE SQUAREのバラードは、ほとんどの曲が、歌の構造をしていて、フリーパートもほとんどなく、伊東たけしのサックスが、主旋律を歌のように繰り返して、静かに終わる。
歌詞がなく、曲と演奏のみなのも、本物の歌に対して、弱みとなる。
当時の私には、はっきり言ってどの曲も退屈で、CDでも聴き飛ばすことが多かった。
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そんな中で、1986年にリリースされたTHE SQUAREのアルバム「S・P・O・R・T・S」は、それまでのTHE SQUAREとは、一味違うアルバムで、当時、かなり新鮮だったことを覚えている。
最初に聴いたとき、幕の内弁当的な曲構成に変化が見られ、明らかなシングルカット向けの曲が見当たらないことにまず驚いた。
そして、一つ一つの曲の演奏が、それまでにないほどライブ感が強く、曲の構造も、あまり歌モノを意識しない曲が多くて、それまでのアルバムに比べて、演奏を聴きながら、とても爽快感があるアルバムだった。
確か、この頃から、THE SQUAREも、レコーディングをデジタル化したのも、曲作りに影響を与えたのかもしれない。特に生楽器であるドラムスの音の鮮度が、デジタル録音により格段に上がり、トータルの音質も格段に良くなった記憶がある。
そして、最後の一曲にたどり着いた時点で、ここまで全くリリコンが使われておらず、伊東たけしがサックスだけを吹いていることに気づく。そのこと自体、彼らのアルバムづくりでは、異例中の異例だ。
そして、そのアルバムの最後に収録されていたバラードが、この「Passage Of Clouds(雲路)」という曲。
ここで、初めてリリコンが登場する。
そもそも、THE SQUAREのバラードで、伊東たけしがサックスではなく、リリコンを吹くのはこの曲が初めてだった。
静かなキーボードのイントロで始まり、リリコンの主旋律もエモーショナルで、さらに、途中で入る和泉宏隆のキーボードソロもメロディアスで素晴らしい。
そして、アルバム全体の印象を象徴するように、曲のエンディングに向かって伊東たけしのリリコンが疾走し始め、叫ぶようなソロ演奏でフェイドアウトする。
とても印象的な演奏で、今でも彼らの中では一番好きなバラード曲だ。
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