ナタリー・コールの訃報

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【訃報】米歌手ナタリー・コールさん死去　65歳　ナット・キング・コールの実娘 : 訃報速報

昨年の大みそかに、ナット・キング・コールの実娘であり、歌手のナタリー・コールが亡くなっていたそうだ。こちらも65歳か。若いな。

私が、彼女の歌を初めて聞いたのは、1976年の第5回東京音楽祭で、グランプロを受賞した「Mr. Melody」だと思う。

この曲、日本人向けにポップシンガーとして売るための分かりやすい曲ということで、東京音楽祭向けに選ばれたか、作られた曲のようで、日本でしかシングルカットされておらず、海外のベスト盤などには収録されていないことも多い。

日本人にも、耳心地のいいシンプルな歌詞とメロディの曲ではあったが、逆にそのことで、ヴォーカリストとして「うめぇなぁ」という印象が、子供ながらにあった。
後から考えると、私が初めて接した、アドリブなどを自在に入れるジャズボーカルの世界だったかもしれない。

しかし、その後の歌手人生は順調とはいかず、ヒット曲にもなかなか恵まれず、ドラッグに溺れて活動休止していた時期もあったそうだ。

そんな彼女だったが、1991年に、ナット・キング・コールのカバー集「アンフォーゲッタブル (Unforgettable... with Love)」を発表し、全米でもジャズアルバムとしては異例の大ヒットした。

また、ナット・キング・コールの音源を利用してナタリー・コールとのデュエット曲として蘇らせた「アンフォーゲッタブル」も全米ナンバーワンに輝き、この年のグラミー賞の最優秀レコード賞などを受賞した。

技術的にも、デジタル音源処理の進展により、古い音源がまったく違和感なく、新しい音源と組み合わせて、曲が作れるということを実証し、その後のレコーディング技術に大きな影響を与えた曲だったと思う。

そして、これが、彼女にとって、偉大な父の重荷を背負いながらも、歌手として立ち直った瞬間だったのかもしれない。

その後は、ジャズヴォーカルというジャンルなので、大ヒットという感じではないが、コンスタントにアルバムはリリースされていた。

ところが、2008年にC型肝炎感染を公表して腎臓移植手術を受けてからは、音楽活動を休止してしまっていたようで、ここしばらくは新しいニュースが届くことはなかった。

早すぎる夭折に、ご冥福をお祈りします。

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