NHK総合「終わらない人 宮﨑駿」を見た [テレビ]
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NHKでドキュメンタリー「終わらない人 宮崎駿(仮題)」を放送:コンテンツって言い方、嫌いだけど:So-netブログ
以前、ご紹介した「終わらない人 宮﨑駿」というドキュメンタリー番組を録画して見たが、とてもスリリングで面白かったな。
宮﨑 駿に再び火がついた! 最新作のきっかけはゴミ拾い??終わらない人 宮﨑駿 |NHK_PR|NHKオンライン
今回のドキュメンタリーは、長編映画から引退を表明した後の日常から始まる。
その中で、三鷹の森ジブリ美術館で上映する短編映画「毛虫のボロ」を制作することになり、そのために、鈴木敏夫プロデューサーが紹介したCGアニメーター櫻木優平と、彼が所属するスタジオ「スティーブンスティーブン」の能力を気に入り、共同制作を始める。
自分が表現したい絵を、新しい表現手法であるCGの作り手にどう客観的に伝え、作らせるか、新しい仕事に燃える宮﨑駿が、前半の気が抜けたような彼とは全く違い、生き生きとしているのが分かる。
親友でもあるジョンラセターに「みっともないものは見せられない」とか、「俺も負けられない」と言って手書きアニメシーンを書き始める様子が、クリエーター魂に火が付いた様子が分かる。
途中、ドワンゴ川上会長からAIで作った「這いずるゾンビのCG」を見せられた宮﨑駿が、「これは生命の冒涜であり、自分の作るものに繋げようとはまったく思わない。やりたければ勝手にやって」と一喝する、本筋とは無関係の、なくても成立するシーンが入る。
なぜ、このシーンを入れたのか。おそらく、この場面の怒りが、宮﨑駿のこの後の長編企画の立案につながったとNHKの人が考えたのだろう。
そして、どう考えても宮﨑駿が怒るであろうこのCGを、なぜ鈴木敏夫が宮﨑駿に見せたのか。
鈴木敏夫は、宮﨑駿に創作意欲のガソリンを投入すると同時に、川上氏に対しても、宮﨑駿からぐうの音も出ない怒られ方で、怒られる体験を与えたかったのだろうと思った。
そして、どうやら難関を突破し「毛虫のボロ」が完成に近づいたと思われるタイミングで、宮﨑駿がそっと鈴木敏夫に差し出したのが、一度は辞めると言った新作長編の企画書。
その中身については、番組では明らかにされなかったが、2019年公開の線表まで記載されており、本気だ。
「作れるだけの金、掻き集めてください」という宮﨑駿に、鈴木敏夫が、「宮さんが絵コンテ書いて死んじゃうと、そうすりゃ映画は大ヒットですよ」と茶化し、宮﨑駿が「オレが死ななきゃいけないじゃん」と返す阿吽の呼吸がスリリング。
そして、「何もやっていないで死ぬよりも、やっている最中に死ぬ方がまだまし」とつぶやく宮﨑駿がカッコいい。
新作長編がどんな映画かは、全く情報はないが、少なくとも2019年公開という、宮﨑駿としては短期間の日程を引いているのであれば、絵コンテを作った後のアニメーションはCG制作で、「毛虫のボロ」で信頼を得た「スティーブンスティーブン」に任せるという前提があるのかもしれない。
鈴木敏夫のセリフも、絵コンテさえできれば、映画は作れるという確信があってのことなのだろう。
そして、番組は、宮﨑駿が新作長編のラフな絵コンテ(100枚程度)に取り掛かるところで終わる。
今回の番組で、やっぱり宮﨑駿は、死ぬまで作品を作り続ける業を持った人なのだ、ということがよく分かった。
「終わらない人 宮崎駿」という番組タイトルは、秀逸だったな。
ところで、このドキュメンタリー、NHKは海外には配信しないのだろうか。
既に、ネットではこの番組の内容が拡散されているが、部分的に切り取られていて、真意が伝わっていないものが多い。
変な誤解を生まないためにも、こういう番組こそ、是非、外国語版を作って、フルに流して欲しいよな。
見たい人は世界中にたくさんいると思うので。
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今回のドキュメンタリーは、長編映画から引退を表明した後の日常から始まる。
その中で、三鷹の森ジブリ美術館で上映する短編映画「毛虫のボロ」を制作することになり、そのために、鈴木敏夫プロデューサーが紹介したCGアニメーター櫻木優平と、彼が所属するスタジオ「スティーブンスティーブン」の能力を気に入り、共同制作を始める。
自分が表現したい絵を、新しい表現手法であるCGの作り手にどう客観的に伝え、作らせるか、新しい仕事に燃える宮﨑駿が、前半の気が抜けたような彼とは全く違い、生き生きとしているのが分かる。
親友でもあるジョンラセターに「みっともないものは見せられない」とか、「俺も負けられない」と言って手書きアニメシーンを書き始める様子が、クリエーター魂に火が付いた様子が分かる。
途中、ドワンゴ川上会長からAIで作った「這いずるゾンビのCG」を見せられた宮﨑駿が、「これは生命の冒涜であり、自分の作るものに繋げようとはまったく思わない。やりたければ勝手にやって」と一喝する、本筋とは無関係の、なくても成立するシーンが入る。
なぜ、このシーンを入れたのか。おそらく、この場面の怒りが、宮﨑駿のこの後の長編企画の立案につながったとNHKの人が考えたのだろう。
そして、どう考えても宮﨑駿が怒るであろうこのCGを、なぜ鈴木敏夫が宮﨑駿に見せたのか。
鈴木敏夫は、宮﨑駿に創作意欲のガソリンを投入すると同時に、川上氏に対しても、宮﨑駿からぐうの音も出ない怒られ方で、怒られる体験を与えたかったのだろうと思った。
そして、どうやら難関を突破し「毛虫のボロ」が完成に近づいたと思われるタイミングで、宮﨑駿がそっと鈴木敏夫に差し出したのが、一度は辞めると言った新作長編の企画書。
その中身については、番組では明らかにされなかったが、2019年公開の線表まで記載されており、本気だ。
「作れるだけの金、掻き集めてください」という宮﨑駿に、鈴木敏夫が、「宮さんが絵コンテ書いて死んじゃうと、そうすりゃ映画は大ヒットですよ」と茶化し、宮﨑駿が「オレが死ななきゃいけないじゃん」と返す阿吽の呼吸がスリリング。
そして、「何もやっていないで死ぬよりも、やっている最中に死ぬ方がまだまし」とつぶやく宮﨑駿がカッコいい。
新作長編がどんな映画かは、全く情報はないが、少なくとも2019年公開という、宮﨑駿としては短期間の日程を引いているのであれば、絵コンテを作った後のアニメーションはCG制作で、「毛虫のボロ」で信頼を得た「スティーブンスティーブン」に任せるという前提があるのかもしれない。
鈴木敏夫のセリフも、絵コンテさえできれば、映画は作れるという確信があってのことなのだろう。
そして、番組は、宮﨑駿が新作長編のラフな絵コンテ(100枚程度)に取り掛かるところで終わる。
今回の番組で、やっぱり宮﨑駿は、死ぬまで作品を作り続ける業を持った人なのだ、ということがよく分かった。
「終わらない人 宮崎駿」という番組タイトルは、秀逸だったな。
ところで、このドキュメンタリー、NHKは海外には配信しないのだろうか。
既に、ネットではこの番組の内容が拡散されているが、部分的に切り取られていて、真意が伝わっていないものが多い。
変な誤解を生まないためにも、こういう番組こそ、是非、外国語版を作って、フルに流して欲しいよな。
見たい人は世界中にたくさんいると思うので。
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