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アニメ映画「この世界の片隅に」を見てきた [映画]

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映画「この世界の片隅に」製作プロセスの秘密 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

TBSラジオ「ウィークエンドシャッフル」のムービーウォッチメンでも大絶賛していたこともあり、仕事終わりに、川崎で話題の「この世界の片隅に」を見てきた。
平日の出張帰りの夜だったので、空いていると思いきや、ほとんど満席で、あまりいい席は取れなかった。

結果、見てよかった。
胸をかきむしられるような素晴らしい映画だった。

こうの史代さんの原作は既に読んでいて、素晴らしかったので、ストーリーとか、セリフがいいのは予想できた。

しかし、低予算映画ではあるので、アニメーションのクオリティ面では全く期待せず見たのだが、背景の精緻さに加えて、人物の心情を見事に表現するアニメーション表現が予想外に素晴らしく、感心してしまった。
主人公すずを演ずるのんさんの声の演技も、人物像にぴったりはまっていた。

原作は、もう少し政治的メッセージも強く表現されているが、映画では、主人公すずの眼から見た、戦前から戦時中の世界への気持ちを主体に描き、映画を見た人に考えさせる構成となっており、これはこれで映画として正解だと思う。

個人的には今年見た中ではナンバーワン(今年は全然映画を見ていないので何の意味もないが)。
これは、絶対に見るべき映画だと思う。

片渕須直 - Wikipedia

片渕須直監督については全く知らず、作品も初めて見たのだが、年齢を見ると56歳って、結構なベテランじゃん。
経歴を見ると、実際、ジブリで高畑勲監督の下でずっと修行を積んだ人みたいだ。

最近、新海誠監督が、宮崎駿監督の後継者みたいな言われ方をよくするが、それだったら、「片渕須直監督は、高畑勲監督の正統な後継者だ」と、もっと言われてもいいのではないだろうか。56歳だけど。

他の監督作品も是非とも見てみたいと思ったな。

『この世界の片隅に』3週目の全国映画動員ランキングは6位と判明 | アニメイトタイムズ

さて、その後の観客動員はというと、11月12日(土)の全国一斉公開以降、公開3週目の全国映画動員ランキング(興行通信社調べ)で、10位から6位に大幅ランクアップし、観客動員が22万人、累計興収も3.5億を超え、公開館数も初週より14館増えて82館、さらには次週87館に増え、ますます好調らしい。

「この世界の片隅に」海外配給が決定。 | for Miss Brain Year

イギリス、フランス、アメリカ、メキシコなど世界15カ国での海外配給も決まり、海外での評価もうなぎ上りで、期待も高い。
海外では「火垂るの墓」が高い評価を得られているのだから、この作品も間違いはないと思うが。

資金集まりすぎで異例のストップかかった「この世界の片隅に」クラウドファンディング、内容強化して再募集 - ITmedia ニュース

その世界15カ国に、片渕監督が渡航・滞在する費用のクラウドファンディングを開始したら、あっという間に目標を上回りったそうだ。こうした費用を、クラウドファンディングに頼らなければならない映画界の事情については、かなり疑問も感じるけどな。

「この世界の片隅に」のんが広島・呉市を巡る写真集発売 - 映画ナタリー

関連する動きとしては、のんさんが、「この世界の片隅に」のんが広島・呉市を巡る写真集を発売。

テアトル株、ストップ高 「この世界の片隅に」ヒット  :日本経済新聞

「この世界の片隅に」を配給する東京テアトルの株価が、予想外のヒットで急上昇しているらしい。

片渕須直監督とこうの史代さんが2人で語った「『この世界の片隅に』公開記念!ネタバレ爆発とことんトーク!大阪編」 - GIGAZINE

【特別対談】片渕須直×のん(能年玲奈)『この世界の片隅に』をこの世界の隅々に!(後編) ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.736 ☆:ほぼ日刊惑星開発委員会:PLANETSチャンネル(PLANETS/第二次惑星開発委員会) - ニコニコチャンネル:エンタメ

片渕須直監督も、インタビューやトークショーへと、あちこち引っ張りだこだな。
ただ、海外での映画公開に合わせた渡航費用をクラウドファンディングで募集せざるを得ない状況を見ると、しっかり実入りがある形で、多忙な宣伝活動をされているのかが、ますます気になってくる。

邦画が好調の裏で、これでいいのか?:コンテンツって言い方、嫌いだけど:So-netブログ

過去にも、「SRサイタマノラッパー」の入江監督が、映画はヒットすればするほど本人は貧乏になり、田舎に引っ越さざるを得なかった状況になったことを、以前、ブログでも取り上げたことがある。

制作委員会方式で作られた映画は、制作委員会への出資者への利益配分が最優先されがちであり、映画監督や原作者には、スズメの涙程度の固定報酬しか与えられず、映画公開後の宣伝のためのメディア露出も、ほとんど無償で働かされ、一生懸命映画を売り込めば売り込むほど貧乏になっていく。現在の日本映画にありがちな、そんな問題点を、後に入江監督が語っていたのだ。

片渕監督の海外渡航費用なんて、本来は、利益を享受する制作委員会が出すべき必要経費だろう。
それをスルーして、クラウドファンディングでお金が集まったことを美談として語るだけじゃ、日本の映画界は、全然よくならないぞ。

関連記事:
アニメ映画「この世界の片隅に」:コンテンツって言い方、嫌いだけど:So-netブログ



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