BSデジタル放送の解像度を落とす理由

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NHK BS1などBS放送の解像度が横1,440ドットに。新4K/8K放送に向け帯域削減 - AV Watch

BSデジタル放送で、新しく4K/8K放送が始まることは知っていたが、まさか既存の放送にしわ寄せがあるとは知らなかったな。

今年12月1日に新しく始まる4K/8K放送のために帯域を空けるため、1月22日以降、BS朝日、BS-TBS、BS日テレ、BSフジの民放BS4社の帯域を削減するという。
帯域を削減するために、フルHDの1,920×1,080ドットから、地デジ並みの1,440×1,080ドットに解像度が落とすらしい。
なお、NHK BS1/2は既に1月14日から1,440×1,080ドットになっているそうで、NHK BSプレミアムのみ、帯域削減後も1,920×1,080ドットのまま放送されるそうだ。

放送サービス高度化推進協会(A-PAB)によれば、「帯域削減にあわせて、画質への影響を減らすべく、エンコーダの設定変更などを行ない、主観評価では違いが判らない品質にした」とのこと。

解像度を下げず圧縮率を上げてビットレートを下げる方法と、今回のように解像度を下げてビットレートを下げる方法があったと思うが、実際に比較した結果、解像度を下げた方が画質に対するダメージが少ないという判断だなのだろう。

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また、TOKYO MXが、既に従来の地デジの帯域で、HD＋SDの2チャンネルを放送しており、映像エンコーダーなどの進化もあり、画質劣化も少ないということらしいので、こうしたエンコーダーの改良もあれば、今回のBSでも従来並みの画質が維持できると判断したのかもしれない。

ただ、解像度が落ちるのだから、全く画質に影響がないはずがないとは思うし、それは営業的にもデメリットとなる筈なのに、それでも帯域を削減する理由はどこにあるのだろうか。

まず、今回の帯域の節約により、民放BS各社が、BSの放送衛星を管理するB-SATに支払う衛星使用料が、おそらく2割程度減る筈だ。

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しかも、実は、BS民放各局は、新たに始める4k放送でも1チャンネルずつを確保しており、放送を始める予定なので、当たり前だが、4k放送を見てしまえば、いくら頑張ってもフルHDの放送は色あせてしまう。
そもそも4kが始まる時点で、従来のBS放送と地デジの画質の違いは目くそ鼻くその差となるため、彼らとしては、もはや新たにビジネスが拡大するとは思えない従来のBSチャンネルを頑張るより、新たな4k放送の帯域を広げ、画質を優先させたい意向があるのだろう。

4K放送と従来のフルHDの放送は、基本同じ番組をサイマルで流すことになるようで、それも、新たに4K放送を流すために増えるコスト増を、できるだけ抑えたい意図があるだろう。

ただ、4Kが新たに追加されることで放送に必要なコストが増える分を、カバーできるぐらいスポンサーが増やせるかというと、それはかなり疑問だろうな。
4k対応のBSチューナーを内蔵したテレビやレコーダーは、今年後半にならないと出てこないし、それが、主流になるまで普及するには、さらに5年以上かかるだろう。
しかも、テレビも50インチぐらいないと4kにする意味がないから、小さいテレビを買い替える人は4k対応テレビは買わないだろう。となると、4kチャンネルの視聴者数はなかなか増えないはず。

作った4k番組を、ネット配信やUltra Blu-ray Discで外販できるかどうかも含め、よほど頭を使わないと、BS民放各社が再び赤字に転落するのは必至だろうな。

放送局も、これからの時代、大変だね。

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