AMラジオ放送廃止は仕方ないんじゃないかなぁ? [ラジオ]
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AMラジオが将来なくなる? 民放連が廃止要請へ - zakzak
私自身は、そろそろAMラジオ放送廃止は、仕方ないんじゃないかなぁ、という気はしている。
世界的には、世界初のAMラジオ放送は、1920年に米海軍省が始めた娯楽音楽放送 NOF だそうで、日本で見ても、NHKが初のAMラジオ放送を開始した1925年(大正14年)から、今年で94年。 CBCラジオが、日本初の民放を1951年(昭和26年) が始めてからも68年。
日本初の地上波テレビ放送が開始されたのが1953年で、これは2003年には地デジが始まり、2012年には既にアナログの地上波テレビ放送は終了している。
それを考えれば、AMラジオ放送という、1925年に実用化された技術が、未だに現役で生き続けていること自体が、驚異的とも言える。
ただ、古い技術だけに、弱点もずいぶん前から露呈していて、特に、デジタルノイズがはびこる世の中になったが、それを技術的に防ぐ術がない。アンテナも送信機も、シンプルだが効率が悪く、消費電力的にもエコとは言い難い。
理系人間の観点から見れば、AMラジオ放送は、とうに技術的な寿命は尽きているのを何とか延命している状態と言え、そろそろこの技術は寿命を全うさせてあげてもいいのではないかと思うのだ。
もちろん、それはAMラジオしか、ラジオを聴けない人への救済策がなされるという前提があってのことではあるが。
今回のニュースを受けて、世間では、AMラジオ放送廃止に反発する意見も散見される。ただ、「本当に困る本人」ではない人が発信したものばかりが目につく状況なのが、気になるところ。
ネットでいくつかピックアップしてみると、
・ワイドFMを始めた時には、ビルの谷間などのAM難聴対策だと言っておきながら、数年で前言を撤回するのは不誠実だ
伊集院光も、こう言って、ラジオ番組「伊集院光とラジオと」でかなり怒っていたな。
今回の、民放連として正式要望を出したのは初めてかもしれないが、私の知る限り、ワイドFM開始時にも、各局の意見の中に「将来的にはAMの廃止を視野に入れたい」旨の意見は、散見されていたので、決して初めて出てきた意見ではない。
しかし、その将来の意図については、確かにリスナーの批判を恐れて、表立ってはリスナーに向けて言ってこなかったのも事実。
だから、今回のAM廃止の発表が、唐突に思えた人も多かったのは確かだろう。
伊集院光が語る、AMラジオがFM波放送を開始してもAM波放送をやめられないワケ | 世界は数字で出来ている
だが、ちょっと待って。伊集院さんは、過去にラジオで、ラジオ局はAMを辞めたがっていることを知っていて、ただ、国策で許されていないことを語っているじゃん。こういう2枚舌は感心しないな。
・FMではカバーできないエリアは切り捨てるのか?
FMが受信困難なエリアというのは、実は、周波数が近いアナログの地上波テレビ放送も受信困難だったケースが多く、そうしたエリアでは、通常、市町村がケーブルテレビ(共聴システム)を運営し、そこで放送を再配信しているケースが多い。ラジオ放送もそこで併せて再配信されていることが多いのだ。
なので、AMは受かったのにFMは受からず、実際に困る人たちというのは、実は、微妙なエリアに限られる。
そもそも、「ネット」でこうした意見を書込めている人は、radikoで聞けばいいじゃん、と言いたくなる。
本当に困る人が言う意見なら尊重すべきだが、想像で書く意見に大した価値はない。
上のような現実を知らない、あさーい意見だと思う。
具体的な対策については、一つは、地上波アナログテレビの廃止になった中継局の、ワイドFMへの再利用が現状にも進んでおり、ある程度それでカバーはできると思われる。
それでも不可能なエリアに対しては、地域ケーブルテレビあればそこへの配信や、狭い難聴エリアであれば、radikoで受信した放送を、コミュニティFMレベルの電波強度で狭いエリアに再送信する(今は法律的に無理だが)など、いろいろ手はあるのではないだろうか。
・ゲルマニウムラジオ(無電源で動く、災害時の頼みの綱)が使えなくなるのはまずいと思う
AM放送は、無電源で動作するゲルマニウムラジオでも聴けるという特徴があるが、そもそもこの意見を書いた人は、近年、ゲルマニウムラジオの現物をどこかで見たことがあるのだろうか?(私は小学生のころ電子工作キットで見たっきりだ)
電話線の給電動作する電話機がなくなりつつあることに対して、以前、災害時に困るのではないかと課題提起されていたが、実際は、皆、電源は必要だが便利な携帯電話を使っており、今はだれも文句を言わない。
ラジオも、現にゲルマニウムラジオの入手が不可能に近く、しかも、誰も災害に備えてゲルマニウムラジオを買っておこうと思っている人が皆無である現状で、それを問題視して何の意味があるのだろうか?
現実に、災害用に売られているラジオとは、手回しの発電機でAM/FMが聴けるラジオであり、ゲルマニウムラジオなんかより、感度も音質もはるかに実用的。ゲルマニウムラジオなんて、一般の人は誰も知らないという現実を知るべきだ。
さらに言うなら、地方自治体が、災害時に重視してるのは、既にAMではなく、FM波で送る緊急警報放送であり、そのために地元コミュニティFMが全域で聴けるよう補助を出して整備を進め、緊急警報放送が聴けるラジオを無料または格安で配布している自治体も多い。地震などの大災害が発生したら、地方自治体が真っ先に地元密着の災害情報を広める手段として考えているのは、コミュニティFMや、共聴システムであり、AM放送ではない。
まとめると、AMラジオ放送廃止に対して、反対意見を述べるのは自由だし、それを阻害するつもりはないのだが、意見は「想像」ではなく「現実」に基づいて言うべきだと思う。
NHKは、AM放送は止めない(実際、NHKは止めるとは一言も言っていない)という前提があってのことではあるが、民放AMラジオ局が、地方はどこも経営的な存続の危機にある今、現実的な選択肢としてのAM廃止はやむを得ないと思うけどな、私は。
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私自身は、そろそろAMラジオ放送廃止は、仕方ないんじゃないかなぁ、という気はしている。
世界的には、世界初のAMラジオ放送は、1920年に米海軍省が始めた娯楽音楽放送 NOF だそうで、日本で見ても、NHKが初のAMラジオ放送を開始した1925年(大正14年)から、今年で94年。 CBCラジオが、日本初の民放を1951年(昭和26年) が始めてからも68年。
日本初の地上波テレビ放送が開始されたのが1953年で、これは2003年には地デジが始まり、2012年には既にアナログの地上波テレビ放送は終了している。
それを考えれば、AMラジオ放送という、1925年に実用化された技術が、未だに現役で生き続けていること自体が、驚異的とも言える。
ただ、古い技術だけに、弱点もずいぶん前から露呈していて、特に、デジタルノイズがはびこる世の中になったが、それを技術的に防ぐ術がない。アンテナも送信機も、シンプルだが効率が悪く、消費電力的にもエコとは言い難い。
理系人間の観点から見れば、AMラジオ放送は、とうに技術的な寿命は尽きているのを何とか延命している状態と言え、そろそろこの技術は寿命を全うさせてあげてもいいのではないかと思うのだ。
もちろん、それはAMラジオしか、ラジオを聴けない人への救済策がなされるという前提があってのことではあるが。
今回のニュースを受けて、世間では、AMラジオ放送廃止に反発する意見も散見される。ただ、「本当に困る本人」ではない人が発信したものばかりが目につく状況なのが、気になるところ。
ネットでいくつかピックアップしてみると、
・ワイドFMを始めた時には、ビルの谷間などのAM難聴対策だと言っておきながら、数年で前言を撤回するのは不誠実だ
伊集院光も、こう言って、ラジオ番組「伊集院光とラジオと」でかなり怒っていたな。
今回の、民放連として正式要望を出したのは初めてかもしれないが、私の知る限り、ワイドFM開始時にも、各局の意見の中に「将来的にはAMの廃止を視野に入れたい」旨の意見は、散見されていたので、決して初めて出てきた意見ではない。
しかし、その将来の意図については、確かにリスナーの批判を恐れて、表立ってはリスナーに向けて言ってこなかったのも事実。
だから、今回のAM廃止の発表が、唐突に思えた人も多かったのは確かだろう。
伊集院光が語る、AMラジオがFM波放送を開始してもAM波放送をやめられないワケ | 世界は数字で出来ている
だが、ちょっと待って。伊集院さんは、過去にラジオで、ラジオ局はAMを辞めたがっていることを知っていて、ただ、国策で許されていないことを語っているじゃん。こういう2枚舌は感心しないな。
・FMではカバーできないエリアは切り捨てるのか?
FMが受信困難なエリアというのは、実は、周波数が近いアナログの地上波テレビ放送も受信困難だったケースが多く、そうしたエリアでは、通常、市町村がケーブルテレビ(共聴システム)を運営し、そこで放送を再配信しているケースが多い。ラジオ放送もそこで併せて再配信されていることが多いのだ。
なので、AMは受かったのにFMは受からず、実際に困る人たちというのは、実は、微妙なエリアに限られる。
そもそも、「ネット」でこうした意見を書込めている人は、radikoで聞けばいいじゃん、と言いたくなる。
本当に困る人が言う意見なら尊重すべきだが、想像で書く意見に大した価値はない。
上のような現実を知らない、あさーい意見だと思う。
具体的な対策については、一つは、地上波アナログテレビの廃止になった中継局の、ワイドFMへの再利用が現状にも進んでおり、ある程度それでカバーはできると思われる。
それでも不可能なエリアに対しては、地域ケーブルテレビあればそこへの配信や、狭い難聴エリアであれば、radikoで受信した放送を、コミュニティFMレベルの電波強度で狭いエリアに再送信する(今は法律的に無理だが)など、いろいろ手はあるのではないだろうか。
・ゲルマニウムラジオ(無電源で動く、災害時の頼みの綱)が使えなくなるのはまずいと思う
AM放送は、無電源で動作するゲルマニウムラジオでも聴けるという特徴があるが、そもそもこの意見を書いた人は、近年、ゲルマニウムラジオの現物をどこかで見たことがあるのだろうか?(私は小学生のころ電子工作キットで見たっきりだ)
電話線の給電動作する電話機がなくなりつつあることに対して、以前、災害時に困るのではないかと課題提起されていたが、実際は、皆、電源は必要だが便利な携帯電話を使っており、今はだれも文句を言わない。
ラジオも、現にゲルマニウムラジオの入手が不可能に近く、しかも、誰も災害に備えてゲルマニウムラジオを買っておこうと思っている人が皆無である現状で、それを問題視して何の意味があるのだろうか?
現実に、災害用に売られているラジオとは、手回しの発電機でAM/FMが聴けるラジオであり、ゲルマニウムラジオなんかより、感度も音質もはるかに実用的。ゲルマニウムラジオなんて、一般の人は誰も知らないという現実を知るべきだ。
さらに言うなら、地方自治体が、災害時に重視してるのは、既にAMではなく、FM波で送る緊急警報放送であり、そのために地元コミュニティFMが全域で聴けるよう補助を出して整備を進め、緊急警報放送が聴けるラジオを無料または格安で配布している自治体も多い。地震などの大災害が発生したら、地方自治体が真っ先に地元密着の災害情報を広める手段として考えているのは、コミュニティFMや、共聴システムであり、AM放送ではない。
まとめると、AMラジオ放送廃止に対して、反対意見を述べるのは自由だし、それを阻害するつもりはないのだが、意見は「想像」ではなく「現実」に基づいて言うべきだと思う。
NHKは、AM放送は止めない(実際、NHKは止めるとは一言も言っていない)という前提があってのことではあるが、民放AMラジオ局が、地方はどこも経営的な存続の危機にある今、現実的な選択肢としてのAM廃止はやむを得ないと思うけどな、私は。
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どうもです。
何年か前にNHKのチャンネル数削減についてあちこちで議論されたことがありますが、ラジオについてはAMの第1放送に一本化すべきという声が上がったように記憶しています。でも当時はまだ地デジ化される前で現在とは事情が違っているのでなんとも言えません。だからチャンネル削減という方向にいくかどうかわかりません。もし民放が本当にFMに一本化するなら、NHKは中継送信所を増やしてAM放送を増強するなど新たな手を打つのでしょうか?
by 関東のラジオ聴き (2019-04-27 11:49)
関東のラジオ聴きさん、ごめんなさい。
おっしゃっていることがよくわからないのですが、NHKの件は、番組制作費を減らす話で、AM1,AM2の一本化と、FMもAMと同じ番組を流すということだったと思います。今のところ動きはないようですが、少なくとも民放がワイドFM化するから、NHKラジオの縮小が前進するという理屈はよくわかりません。
by naniwa48 (2019-04-27 21:52)
言葉足らずになってしまったようで申し訳ありません。
かつてとは逆に、NHKは拡大路線をラジオで狙うのではないかと言いたかったのです。民放がワイドFMに一本化するとAMの周波数に多少なり空きが生じるだろうから、その周波数をNHKが中継所用に取得することがあるのかなと思ったことを言いたかったのですが、うまく伝えられずに申し訳ありませんでした。
by 関東のラジオ聴き (2019-04-28 11:12)
関東のラジオ聴きさん、ようやく分かりました。
でも、NHKがラジオを拡大することはないと思いますよ。
NHKはラジオで受信料を取っていませんから、これ以上お金を掛けられないし、むしろ減らしたいはずです。
by naniwa48 (2019-04-28 21:19)
東日本大震災の経験者です。はじめまして
巨大地震後(6分ほど激しく揺れていた)、揺れがようやく収まり慌ててTVを点けるも停電。状況が全く分からない。地域の防災行政無線も、よく聴こえない。地域全体が情報を得られない状況でした(当時)。
結局、ラジオ、またはカーラジオから巨大な津波が発生し迫っていることを知ったという深刻な状況を経験した者です。
あの経験をすると、巨大災害時はラジオ以外には効果的な情報収集の方法手段はありえないなと今も思います。そもそもinternetも、中継基地局自体が破壊されていたこともあり(また当時は停電すると基地局もダウンしたんだそうです)、internetが使えない。
震災後、翌日は携帯電話も繋がりませんでした。
地域は巨大な津波が押し寄せ住宅も破壊された状況です。
家そのものが破壊されたわけですからね、もう情報を得るどころの話じゃなかったわけですよ。
数日後、小学校まで避難してようやくそこでラジオ放送を聴くことができた。あのラジオ放送で日本が、どうなっているのかやっと「見えた」わけです。
福島原発事故もラジオから知ることができましたしね。
あの経験をした者としては、AMを停波してFMに切り替えるとしてもそのFMを受信できない「FM受信難民」が発生した場合、巨大災害時、一体、どのように情報を届けるのか?
難聴地域は行政がカバーとか指摘されてますけど、巨大災害時、その行政も木っ端微塵になっている場合がありますからね。
南海トラフ巨大地震も想定される今、巨大災害時の情報取得をどうするつもりなのか?そこを徹底しておかないと、「人災」に発展すると思いますよ。
by 短足 (2021-06-21 00:42)
短足さん、おっしゃることは分かります。
ただ、今AMを止めたいというのは、民放の話で、NHKがAMを止めるかどうかはまた別の話です。
NHKは災害対策のためにAM放送を継続し、そのために国が運営資金を継続するということに、何ら反対しません。
しかし、民放は私企業で、しかも、コロナ禍で聴取率はアップしているのに、業績はむしろますます悪化していて、赤字経営が恒常化している局もあります。
そこに、税金を投入してまで、存続させる意味があるかというと、私はないと思います。
by naniwa48 (2021-06-21 18:42)
しかし、民放は私企業で、しかも、コロナ禍で聴取率はアップしているのに、業績はむしろますます悪化していて、赤字経営が恒常化している局もあります。そこに、税金を投入してまで、存続させる意味があるかというと、私はないと思います。
↑
私は民間企業がAMを赤字を垂れ流してまで維持するべきだ、とは考えておりません。NHKに税金を投入して、災害対応可能なAM放送を維持できるのであれば、それでも構わないかなという気もします。
重要なことは、災害時に僻地に住む人々に、如何に迅速に&正確な災害情報を提供できるのか?そこを「明確に」そして「具体的」に見えるように、国民に責任を持って政府や、関係企業が言葉にして説明責任を果たすことと考えてます。
残念なことに、日本民族の悪い癖と言いますか責任の所在をあやふやにしたまま「イメージだけ」が独り歩きする場合があります。FM放送が届かない地域は、AMが命綱。巨大災害発生すれば、命を左右することになります。
僻地を安易に切り捨てるのではなくて、災害時の情報提供に関しては「XXが責任を持って提供します」と責任主体と、責任を明確にしてから(宣言してから)AM放送を切り捨てるなり、していただきたいと思いますけどね。
by 短足 (2021-06-24 00:56)
短足さん、ご主張の前提を確認させてください。
今回のニュースは、民放がAM放送を辞めるというものでしたが、NHKがAM放送を辞めると言ったことは一度もありません。
あったら、その根拠をご提示ください。
NHKは、今までの方針を変えていないのですが、何がご不満なのでしょうか。
by naniwa48 (2021-06-24 21:40)