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傑作SFマンガ「彼方のアストラ」はとにかく読むべし! [マンガ]

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彼方のアストラ - Wikipedia

篠原健太のSFマンガ「彼方のアストラ」が、「マンガ大賞2019」で大賞を受賞したと聞き、興味が湧いたのですぐに読んだ。

【放送後記&聞き逃した方へ】ゲストは引き続き『SKETDANCE』『彼方のアストラ』でおなじみ、篠原健太先生でした!TBSラジオ??週刊少年ジャンプがコラボ!『サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ』毎週土曜24:30?24:59。第24回(2017年12月9日)放送分。

篠原健太の作品は全く読んだことがなかったのだが、以前、「サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ」に出演していたのを聴いたことがあった。
その時は、まだ「彼方のアストラ」は完結していなかったのだが、トークが面白かった記憶があり、印象に残っていたのも、すぐに読んだ理由の一つだ。

早速、電子書籍で購入し、読み始めたのだが、途中で止められず、全5巻を、あっという間に一晩で読んでしまった。

読み終えてまず感じたのは、「なんてよくできたお話なのだろう」ということ。

「よくできた話」というと否定的に捉えられがちだが、ここで言いたいのは、物語の完成度の高さであり、それへの絶賛だ。

もう少し分析してみよう。
ただ、このマンガ、ネタバレしてしまうと、面白さが半減するため、それを避けて何とかその魅力を伝える努力をしてみる。

「彼方のアストラ」は「少年ジャンプ+」でのWeb連載だったこともあるのだろうか、伝統的な少年ジャンプの三原則「友情、努力、勝利」を踏まえた少年向けコミックスとなっている。

私自身、この三原則が大嫌いで、だからジャンプ系のマンガはあまり好きではない。この三原則こそが、マンガを陳腐化させている大きな悪癖だとさえ思っている。

ところが、このマンガが凄いのは、編集部の要求を、過酷な三題噺としてクリアしながら、陳腐になることなく、大人が読んでも唸るマンガとして成立させていることだ。

このマンガ、主人公の少年少女たちが、序盤で起きる事件に立ち向かい、冒険しながら生まれた星へ帰るというSF的設定のお話となっているが、その事件に関する謎の伏線が、実にさりげなくストーリーや会話にちりばめられている。

それが、中盤以降、一気に矛盾点が明らかになり、終盤に及んで、複雑に絡み合った伏線が回収される。
その伏線が、本格ミステリーマニアも唸るほど緻密で、しかも、心理的動機にも不自然さを感じさせないところが、この作家ただ者ではない。そして、何の疑問も残さず、すっきりとした怒涛のエンディングを迎える。

SF要素とミステリー要素がしっかり融合しており、ミステリー要素に、SF的飛躍が矛盾せず溶け込んでいるのも見事。
SF要素は、ミステリーにとって、失敗すると「なんでもあり」の劇薬になりかねないが、そう感じられないのは、SF的ルールに筋が通っているからだろう。
それだけでなく、いくつかのSF的アイデアにより、空間的にも、時間的にも、実にスケールが大きなお話となっているのも、恐れ入るしかない。

最初、類型的に見える登場人物たちも、明かされる個々の秘密の中で、どんどん魅力的に見えてくるようになっており、事件解決後に、それぞれが進む道にも、読者がしっかり共感できるよう、描かれているのも素晴らしい。

そして、これだけ緻密なお話を、頑張れば1日で読めてしまう、ちょうどいい長さにまとめたことも素晴らしい。
人気が出ると、マンガ界の悪習慣で、話を伸ばしがち。この漫画も、途中でさらに別の惑星のエピソードを追加すれば、さらに長くすることは不可能ではなかっただろう。
しかし、「彼方のアストラ」は、ストーリー全体をまだ覚えている長さで、終盤の伏線回収を迎えるため、無駄な複雑さを感じさせず、エンディングを迎えることができる。

もちろん、読み終えた後で、再度、頭から読み返すべきだ。
さらに細かなディテールが凝らされた伏線描写を発見し、いかにこの物語が、最初から緻密に計算され、構築されていたのかが分かるからだ。

このマンガを読みながら、「十五少年漂流記」「星を継ぐもの」「11人いる!」といった過去の名作たちが頭に浮かんだが、この作品は、そうした名作を下敷きにした部分がありながらも、超える完成度を見せてくれた。

これほど完成度の高いSFミステリーは、小説や映画も含めても、そうそうないので、是非とも、この作品、幅広い人々に読んで欲しいな。

また、この作品を読んだ後、先ほどご紹介した「サンドウィッチマンの週刊ラジオジャンプ」を、今改めて聴くと、当時は気付かなかった作者の語る狙いがよくわかる。
「ラジオクラウド」で今でも聞けるので、こちらも是非聴いて欲しい。

TVアニメ「彼方のアストラ」公式サイト

なお、「彼方のアストラ」は、テレビアニメ化が決定しており、2019年7月から地上波で放送されるそうだ。


トレーラー動画を見ただけでも、作画に相当力が入っているし、元々の作品が短いため、無理なくワンクールで着地するだろう。
今から傑作になる予感しかしない。

さらには、今の時代、これがNetlfixなどで世界同時配信されるから、間違いなく世界中で評判を呼ぶはずだし、これのほどのシナリオ、ハリウッドが実写映画化しない訳がないだろう。
こちらも、楽しみで仕方がない。

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