NHKの不思議な番組「復活の日」を見返して [テレビ]
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NHKドキュメンタリー - 復活の日~もしも死んだ人と会えるなら~
3月28日(木)に、午後10時00分からNHK総合で放送されていた「復活の日~もしも死んだ人と会えるなら~」という番組を、たまたま途中から見始めた。
出川哲朗が、IT技術を活用して再現した亡くなったお母さんと再会するという何ともユニークな番組。
かなりの衝撃を受けたので、すぐさま感想を書きたかったのだが、途中からしか見ていなかったこともあり、これはきちんと最初から見直してから感想を書かないといけない番組だと思い、再放送をチェックすると4月28日(日)にあり、早速予約録画した。
ところが、予約録画はしたものの、他の録画番組に紛れ、すっかり、今まで見るのを忘れていたのだ。
それを、ようやく見終えることができたので、今、遅まきながら感想を書きたい。
出川哲朗が母と“再会”し涙、死者とのトーク番組「復活の日」 - お笑いナタリー
番組では、出川の亡くなったお母さんを、出川の前に出現させ、対面し会話をさせる。
お母さんの姿は、おそらく事前に関係者から入手した写真などを基に再現したホログラムっぽい3D CG。
傍観者から見ると、CGっぽい部分も残っているのを、細部をボカして、雰囲気を作っている。
お母さんの喋りは、リアルタイムに清水ミチコがしゃべった声に、お母さんに似るように加工を加えて、会話をさせているそうだ。
実際、出川は、完ぺきとは言えないかもしれないお母さんに、次第に感情移入し始める。
出川への母親のくちぐせなどを再現し、取材に基づく出川との生前のエピソードを織り込むことで、出川は次第に会話にのめり込みし始める。
最後は泣きながら、亡くなる前に、死期を速めてしまうのではないかと恐れ、言えなかった「ありがとう」の言葉を伝え、番組は終わった。
NHK『復活の日』は僕に何を見せてくれたのか|gen_tsutsui|note
出川哲朗の亡き母をCGで完全再現、賛否両論 NHKの“攻めた番組”には評価集まる|ニフティニュース
たいへん実験的な番組だったのは間違いない。
ツイッターでも賛否両論で、やや賛が多いが、否の意見も決して少なくはない。
お母さんの声が「清水ミチコ」にしか聞こえないと揶揄する人間もいたが、なぜ、お母さんの声が元々清水ミチコに似ていたから、彼女が起用されたという可能性を考えないのだろう?
実際、出川に、それがお母さんの声に聞こえたのなら、正解という他ないじゃないか。
出川の母親に対する愛情に感動したという意見も多いが、お母さんが不気味だったという負の意見もあった。
その点では分からなくもない。確かに、番組のお母さんは、いわゆる「不気味の谷」を超えているとは言えず、私も、リアルだが違和感も強く感じた。
ただ、重要なのは、それを、他人がどう感じるかではなく、当事者の出川がどう感じたのか?ということだ。
これについても、ツイッターでは、それを、「出川の演技」と揶揄する人もいて、ちょっと憤慨した。
こういうことを言う人って、「オレオレ詐欺」の電話で騙される老人のことを、「そんなことでだまされるなんて、頭悪いんじゃないの?」とバッサリ切って捨てるタイプの人なんだろうな。
私には、出川が演技で泣いているようには見えなかった。
決してパーフェクトにリアルとは言えないCGの母親に感情移入し、生前言えなくて後悔していた言葉を、号泣しながら話しかけることで、自分の中にいる母親と会話をすることができ、満足しているようにさえ見えた。
この番組では、出川は、亡くなった母親に、長年胸につかえていた思いを伝えることができて、おそらくすっきりできたと思う。
そうしたデトックス効果を産むことができるのなら、この不気味な番組も決して悪いものではないだろう。
一方、出川が、この番組で母親が目の前にいると感じ、会話を続けた心理が、「オレオレ詐欺」で騙されるお年寄りの心理と、極めて似通ったものに思えてきたのだ。
それが、この番組に感じた一番の怖さだ。
「オレオレ詐欺」に騙される人が決して無くならない理由が、ここにあることを示した番組だとも言えると思う。
その人との関わりを自ら求める心があれば、姿や声が必ずしも究極までリアルである必要はないことが、改めて分かる番組だった。
自分の親が、もし「オレオレ詐欺」で騙されたら、それを馬鹿だと言う前に、普段から自分の親にどれだけ寂しい思いをさせているのか、自分の態度を見直した方がいい。改めてそう感じさせられたな。
取材や造り込みが大変な番組なので、第2回がまたあるかどうか気になるが、それにしても最近のNHKは、「病院ラジオ」といい、攻めたコンセプトの番組が多いな。
民放がコンプライアンスとスポンサーの顔色に縛られて保守的になる中、それに抵触せずにギリギリのところで攻めた番組を創っている印象があるNHK。
少しは民放も見習ってほしいものだ。
NHKドキュメンタリー - スーパープレミアム「天国からのお客さま」
NHKドキュメンタリー - 天国からのお客さま「立川談志編」
ちなみに、全く同じ形式ではないが、NHKは、これ以前に、2018年10月20日(土)、2019年3月16日(土)の2回、亡くなった有名人をロボットで再現して、生きている人間と対話する番組を放送したみたいだ。
残念ながらこれらは見逃したが、今からでも見てみたいし、今後もこのシリーズが放送されるなら、是非見たいと思う。
第2回の放送が決まったら、追ってお知らせしたい(が、今のところないみたいだが)。
関連記事:
「病院ラジオ」の第2回も素晴らしかった:コンテンツって言い方、嫌いだけど:So-netブログ
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3月28日(木)に、午後10時00分からNHK総合で放送されていた「復活の日~もしも死んだ人と会えるなら~」という番組を、たまたま途中から見始めた。
出川哲朗が、IT技術を活用して再現した亡くなったお母さんと再会するという何ともユニークな番組。
かなりの衝撃を受けたので、すぐさま感想を書きたかったのだが、途中からしか見ていなかったこともあり、これはきちんと最初から見直してから感想を書かないといけない番組だと思い、再放送をチェックすると4月28日(日)にあり、早速予約録画した。
ところが、予約録画はしたものの、他の録画番組に紛れ、すっかり、今まで見るのを忘れていたのだ。
それを、ようやく見終えることができたので、今、遅まきながら感想を書きたい。
出川哲朗が母と“再会”し涙、死者とのトーク番組「復活の日」 - お笑いナタリー
番組では、出川の亡くなったお母さんを、出川の前に出現させ、対面し会話をさせる。
お母さんの姿は、おそらく事前に関係者から入手した写真などを基に再現したホログラムっぽい3D CG。
傍観者から見ると、CGっぽい部分も残っているのを、細部をボカして、雰囲気を作っている。
お母さんの喋りは、リアルタイムに清水ミチコがしゃべった声に、お母さんに似るように加工を加えて、会話をさせているそうだ。
実際、出川は、完ぺきとは言えないかもしれないお母さんに、次第に感情移入し始める。
出川への母親のくちぐせなどを再現し、取材に基づく出川との生前のエピソードを織り込むことで、出川は次第に会話にのめり込みし始める。
最後は泣きながら、亡くなる前に、死期を速めてしまうのではないかと恐れ、言えなかった「ありがとう」の言葉を伝え、番組は終わった。
NHK『復活の日』は僕に何を見せてくれたのか|gen_tsutsui|note
出川哲朗の亡き母をCGで完全再現、賛否両論 NHKの“攻めた番組”には評価集まる|ニフティニュース
たいへん実験的な番組だったのは間違いない。
ツイッターでも賛否両論で、やや賛が多いが、否の意見も決して少なくはない。
お母さんの声が「清水ミチコ」にしか聞こえないと揶揄する人間もいたが、なぜ、お母さんの声が元々清水ミチコに似ていたから、彼女が起用されたという可能性を考えないのだろう?
実際、出川に、それがお母さんの声に聞こえたのなら、正解という他ないじゃないか。
出川の母親に対する愛情に感動したという意見も多いが、お母さんが不気味だったという負の意見もあった。
その点では分からなくもない。確かに、番組のお母さんは、いわゆる「不気味の谷」を超えているとは言えず、私も、リアルだが違和感も強く感じた。
ただ、重要なのは、それを、他人がどう感じるかではなく、当事者の出川がどう感じたのか?ということだ。
これについても、ツイッターでは、それを、「出川の演技」と揶揄する人もいて、ちょっと憤慨した。
こういうことを言う人って、「オレオレ詐欺」の電話で騙される老人のことを、「そんなことでだまされるなんて、頭悪いんじゃないの?」とバッサリ切って捨てるタイプの人なんだろうな。
私には、出川が演技で泣いているようには見えなかった。
決してパーフェクトにリアルとは言えないCGの母親に感情移入し、生前言えなくて後悔していた言葉を、号泣しながら話しかけることで、自分の中にいる母親と会話をすることができ、満足しているようにさえ見えた。
この番組では、出川は、亡くなった母親に、長年胸につかえていた思いを伝えることができて、おそらくすっきりできたと思う。
そうしたデトックス効果を産むことができるのなら、この不気味な番組も決して悪いものではないだろう。
一方、出川が、この番組で母親が目の前にいると感じ、会話を続けた心理が、「オレオレ詐欺」で騙されるお年寄りの心理と、極めて似通ったものに思えてきたのだ。
それが、この番組に感じた一番の怖さだ。
「オレオレ詐欺」に騙される人が決して無くならない理由が、ここにあることを示した番組だとも言えると思う。
その人との関わりを自ら求める心があれば、姿や声が必ずしも究極までリアルである必要はないことが、改めて分かる番組だった。
自分の親が、もし「オレオレ詐欺」で騙されたら、それを馬鹿だと言う前に、普段から自分の親にどれだけ寂しい思いをさせているのか、自分の態度を見直した方がいい。改めてそう感じさせられたな。
取材や造り込みが大変な番組なので、第2回がまたあるかどうか気になるが、それにしても最近のNHKは、「病院ラジオ」といい、攻めたコンセプトの番組が多いな。
民放がコンプライアンスとスポンサーの顔色に縛られて保守的になる中、それに抵触せずにギリギリのところで攻めた番組を創っている印象があるNHK。
少しは民放も見習ってほしいものだ。
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NHKドキュメンタリー - 天国からのお客さま「立川談志編」
ちなみに、全く同じ形式ではないが、NHKは、これ以前に、2018年10月20日(土)、2019年3月16日(土)の2回、亡くなった有名人をロボットで再現して、生きている人間と対話する番組を放送したみたいだ。
残念ながらこれらは見逃したが、今からでも見てみたいし、今後もこのシリーズが放送されるなら、是非見たいと思う。
第2回の放送が決まったら、追ってお知らせしたい(が、今のところないみたいだが)。
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