「鬼滅の刃」をまだ読んだり見たりしていない貴方へ [マンガ]
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「鬼滅の刃」劇場版 歴代最高「千と千尋」超えなるか? プロの興収予想は(河村鳴紘) - 個人 - Yahoo!ニュース
人気アニメ「鬼滅の刃」の劇場版「無限列車編」の興行収入が3日間で46億円を超え、各テレビ局でもフジテレビを中心に大特集を組むなど、一大ブームが起きている。
その一方で、この波に乗り遅れているテレビやラジオの出演者も割と多く、番組で特集していながら、話についてゆけず、困っている人も多いな。
世間でも、「鬼滅の刃」が話題になっているが、漫画を読んだり、映画やアニメを読んだことがなくて、話に入っていけず、知ってるふりをしたり、話を避けたりして、何とかしのいでいる人も多いようだ。
私はというと、実は、漫画は知人に雑誌を借りて、最後まで読んでいて、そこまで熱狂的なファンにはならなかったため、アニメ、映画は見ていないという立ち位置にいる。
そのため、今の大ブームも、割と冷静に見ていて、まだ「鬼滅の刃」に接していない方たちに、その魅力とイマイチな面を冷静に説明できるのではないかと思うので、ここではそれを試みてみよう。
時代背景
時代は西洋化が急激に進む大正時代。日本古来の不思議なものが西洋的合理的主義で消え去ろうとしていた時代に、田舎ではまだ人を食らう鬼たちが暗躍し、それを止め、鬼を壊滅させようとする「鬼殺隊」が密かに活躍する時代設定となっている。
大昔ではなく日本の近代化のはざまに、時代背景を設定することで、生活様式や衣装に新しさを出すことに成功していると思う。
主人公
まだ子供の主人公・竈門炭治郎が、仕事で外出し、帰宅すると、家族が惨殺されていたのを発見。
唯一生きていた妹・禰豆子は、鬼の血を浴び半分鬼化しており、炭治郎に噛みつこうとするが、炭治郎は、禰豆子の口に猿轡(さうぐつわ)として竹を噛ませ、落ち着いた禰豆子をかごに背負い、妹を元に戻す方法がないか、その道を探す旅に出る。
話を通して、「半分鬼」という状態の人間は、禰豆子しか出てこず、なぜ禰豆子がそんな状態になったのかは分からず、最終的な禰豆子の結末についても、「なぜそうなったのか」は合理的な理由が与えられていないのは不満だ。
主人公は、妹を救いたい一心で「鬼殺隊」に入り、鬼を壊滅するために突き進むのは、いかにもジャンプ的だが、それが妹を救うことにどう結びくのかがあまり描かれておらず、今一つ主人公の動機には納得できない部分がある。
RPG的世界観
炭治郎は、「鬼殺隊」に入り、戦いを通じてどんどん強くなってゆき、鬼との戦いもどんどん派手になってゆくのだが、それは、ジャンプ漫画やRPGにありがちな「必殺技のインフレ」によるもので、それぞれの技に、冷や水、風などの属性があるのもいかにもRPG的だ。
私自身は、このタイプのストーリーはあまり好きではない。
ただ、過去のジャンプ漫画に多い、一段落したと思ったら、もっと強大な目標ができて、さらに強大な敵と戦い続けるのを延々と繰り返すようなお話ではないのは美点。
最初に設定された目標を達成した時点で、技のインフレは終わり、お話自体も潔く結末を迎える点は評価できる。
また、炭治郎が、なぜあそこまで強くなれたのか、という理由付けについては、一応、伏線も貼られており、生まれ持った才能とか根性論にのみ依存した作品が多い中で、ある程度納得できるようになっているのも美点だろう。
ジェンダー観
「鬼殺隊」のメンバーには、男も女もおり、女性の体力が男性に劣るような表現はあるものの、「鬼殺隊」の中での戦いの中での役割などは、男女平等であり、純粋に能力で役割を分担している。何なら、「鬼殺隊」を束ね、作戦を立てる当主家は、みな女性である。
ここら辺の描写は、作者・吾峠呼世晴が女性であることも大きいと思う。
一方で、作者が女性なのに、男性の描写が男から見ても、あまり違和感がないのは大したものだ。
実際、この漫画の作者が、言われなければ女性だと気付かない人も多いだろう。
敵の鬼の背景
敵の鬼たちも、実は、大半は元々人間であり、彼らにも、それぞれ人間時代に辛い人生を背負った末に、鬼となったことを、鬼との戦いの中で一つ一つ紐解く描写が入る。
鬼を単なる「二元論の人間の敵」として描かず、鬼は誰でもなりうる存在であるとして描くことにより、それが、戦いの末に、爽快感よりも無常感みたいなものを生んでいるのは、日本的な設定だと思う。
それが、海外でも、他の国にはない日本独自の世界観として、多くのファンを生み出しているのかもしれない。
結末の満足感
ジャンプ漫画というと、人気があるうちは、どんどん話を引き延ばし、最後は人気が落ちて、中途半端で残念なエンディングを迎えた漫画も多かった。
「鬼滅の刃」のストーリーは、最初に設定された目標に沿って進み、スッキリ残尿感なく終わり、漫画も20巻で過不足なく完結している。
読み終わった人にとっては、「もっとこの世界が続いて欲しい」と、物足りなさを感じる人もいるだろうが、そのぐらい枯渇感があった方が長く愛される作品になると思う。
以上、私が、「鬼滅の刃」のマンガを読んで感じた感想だ。
どうでしょう?「鬼滅の刃」がどんな作品なのか、自分の好みに合いそうな作品なのか、少し感じ取ることができたでしょうか。
なお、映画の劇場版「鬼滅の刃」無限列車編は、原作の7巻~8巻で描かれた無限列車の戦いを描いた物語となっているので、多分、これ以前を描いたテレビアニメをあらかじめ見ておくか、原作の6巻あたりまでを読んでおくと、ストーリーが飲み込みやすいと思う。
フジテレビ『鬼滅の刃』“全集中”放送への批判が的外れだといえる理由(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
テレビアニメを全部見るのは大変という方だと、フジテレビで、10月10日に放送された「第一夜 兄弟の絆」、1月17日の「第二夜 那田蜘蛛山編」を見るだけでも全然違うと思う(FODでも見られるはず)。
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人気アニメ「鬼滅の刃」の劇場版「無限列車編」の興行収入が3日間で46億円を超え、各テレビ局でもフジテレビを中心に大特集を組むなど、一大ブームが起きている。
その一方で、この波に乗り遅れているテレビやラジオの出演者も割と多く、番組で特集していながら、話についてゆけず、困っている人も多いな。
世間でも、「鬼滅の刃」が話題になっているが、漫画を読んだり、映画やアニメを読んだことがなくて、話に入っていけず、知ってるふりをしたり、話を避けたりして、何とかしのいでいる人も多いようだ。
私はというと、実は、漫画は知人に雑誌を借りて、最後まで読んでいて、そこまで熱狂的なファンにはならなかったため、アニメ、映画は見ていないという立ち位置にいる。
そのため、今の大ブームも、割と冷静に見ていて、まだ「鬼滅の刃」に接していない方たちに、その魅力とイマイチな面を冷静に説明できるのではないかと思うので、ここではそれを試みてみよう。
時代背景
時代は西洋化が急激に進む大正時代。日本古来の不思議なものが西洋的合理的主義で消え去ろうとしていた時代に、田舎ではまだ人を食らう鬼たちが暗躍し、それを止め、鬼を壊滅させようとする「鬼殺隊」が密かに活躍する時代設定となっている。
大昔ではなく日本の近代化のはざまに、時代背景を設定することで、生活様式や衣装に新しさを出すことに成功していると思う。
主人公
まだ子供の主人公・竈門炭治郎が、仕事で外出し、帰宅すると、家族が惨殺されていたのを発見。
唯一生きていた妹・禰豆子は、鬼の血を浴び半分鬼化しており、炭治郎に噛みつこうとするが、炭治郎は、禰豆子の口に猿轡(さうぐつわ)として竹を噛ませ、落ち着いた禰豆子をかごに背負い、妹を元に戻す方法がないか、その道を探す旅に出る。
話を通して、「半分鬼」という状態の人間は、禰豆子しか出てこず、なぜ禰豆子がそんな状態になったのかは分からず、最終的な禰豆子の結末についても、「なぜそうなったのか」は合理的な理由が与えられていないのは不満だ。
主人公は、妹を救いたい一心で「鬼殺隊」に入り、鬼を壊滅するために突き進むのは、いかにもジャンプ的だが、それが妹を救うことにどう結びくのかがあまり描かれておらず、今一つ主人公の動機には納得できない部分がある。
RPG的世界観
炭治郎は、「鬼殺隊」に入り、戦いを通じてどんどん強くなってゆき、鬼との戦いもどんどん派手になってゆくのだが、それは、ジャンプ漫画やRPGにありがちな「必殺技のインフレ」によるもので、それぞれの技に、冷や水、風などの属性があるのもいかにもRPG的だ。
私自身は、このタイプのストーリーはあまり好きではない。
ただ、過去のジャンプ漫画に多い、一段落したと思ったら、もっと強大な目標ができて、さらに強大な敵と戦い続けるのを延々と繰り返すようなお話ではないのは美点。
最初に設定された目標を達成した時点で、技のインフレは終わり、お話自体も潔く結末を迎える点は評価できる。
また、炭治郎が、なぜあそこまで強くなれたのか、という理由付けについては、一応、伏線も貼られており、生まれ持った才能とか根性論にのみ依存した作品が多い中で、ある程度納得できるようになっているのも美点だろう。
ジェンダー観
「鬼殺隊」のメンバーには、男も女もおり、女性の体力が男性に劣るような表現はあるものの、「鬼殺隊」の中での戦いの中での役割などは、男女平等であり、純粋に能力で役割を分担している。何なら、「鬼殺隊」を束ね、作戦を立てる当主家は、みな女性である。
ここら辺の描写は、作者・吾峠呼世晴が女性であることも大きいと思う。
一方で、作者が女性なのに、男性の描写が男から見ても、あまり違和感がないのは大したものだ。
実際、この漫画の作者が、言われなければ女性だと気付かない人も多いだろう。
敵の鬼の背景
敵の鬼たちも、実は、大半は元々人間であり、彼らにも、それぞれ人間時代に辛い人生を背負った末に、鬼となったことを、鬼との戦いの中で一つ一つ紐解く描写が入る。
鬼を単なる「二元論の人間の敵」として描かず、鬼は誰でもなりうる存在であるとして描くことにより、それが、戦いの末に、爽快感よりも無常感みたいなものを生んでいるのは、日本的な設定だと思う。
それが、海外でも、他の国にはない日本独自の世界観として、多くのファンを生み出しているのかもしれない。
結末の満足感
ジャンプ漫画というと、人気があるうちは、どんどん話を引き延ばし、最後は人気が落ちて、中途半端で残念なエンディングを迎えた漫画も多かった。
「鬼滅の刃」のストーリーは、最初に設定された目標に沿って進み、スッキリ残尿感なく終わり、漫画も20巻で過不足なく完結している。
読み終わった人にとっては、「もっとこの世界が続いて欲しい」と、物足りなさを感じる人もいるだろうが、そのぐらい枯渇感があった方が長く愛される作品になると思う。
以上、私が、「鬼滅の刃」のマンガを読んで感じた感想だ。
どうでしょう?「鬼滅の刃」がどんな作品なのか、自分の好みに合いそうな作品なのか、少し感じ取ることができたでしょうか。
なお、映画の劇場版「鬼滅の刃」無限列車編は、原作の7巻~8巻で描かれた無限列車の戦いを描いた物語となっているので、多分、これ以前を描いたテレビアニメをあらかじめ見ておくか、原作の6巻あたりまでを読んでおくと、ストーリーが飲み込みやすいと思う。
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