白石聖 Wikipedia白石聖は、今年20歳で、芸映プロダクション所属。いわゆるアイドルではなく女優として地道に活動してきた人らしく、さすがの演技力。とても気になる存在となった。
田中みな実の初回出演シーンは、高校時代の石森麗華が中絶経験を経て、高校卒業と同時に女優として飛躍する場面から、現代に戻った約30秒のシーンだけ。
ただ、このシーンがいきなり、ベッドシーンという鮮烈な女優デビューで、かなり驚いた。
演技経験のないタレントを、人寄せパンダでドラマに出演させる場合、出演者本人が普段そのままで演じればいいよう、あてがきのような役を与えられるケースが多い。
今回、田中みな実の石森麗華役は、子役タレントから女優になり、独身だが、妻子ある男性と不倫関係をしていという込み入った設定で、初めてにしては、なかなか難易度の高い設定の役を与えられたものだと思う。
オファーした側も、当然「田中みな実」に、それができるはず、と見込んで起用したと思われるが、初回に関しては、十分その難題をクリアしていると思う。
そのことは、ツイッターでの番組感想を見ていて、「田中みな実にはまり役」「ぴったり」という声が多かったことからも分る。
そもそも、田中みな実の来歴を見れば、石森麗華役は、「独身」という以外、彼女の実体験に重なる点がない。どこが「ぴったり」なのか?
それなのに、「はまり役」と感じられたのだとしたら、田中みな実の演技が、女優としての演技のリアリティを満たしていたのだと思う。
もっとも、たった30秒でほとんどセリフもないシーンでしかないので、本格的な演技は次回以降見てみないと何とも言えないけどね。
加藤綾子、連ドラ初挑戦で感じた演技の“難しさ”と“楽しさ” 先に「ブラックペアン」で連ドラ初挑戦した加藤綾子も以前チェックしてみたが、こちらは、本筋には影響しない割と楽な役だし、その割にセリフを言うだけで手一杯。
カトパンがカトパンとしてドラマにそのまま出ていた印象しかなく、「人寄せパンダ」の域を出なかった。
それに比べると、田中みな実は、「女優としてやってゆく覚悟」みたいなものが伝わる初回だったし、初回からこのシーンを持ってきた制作側としても、田中みな実は、単なる人寄せパンダではなく、「女優」として起用したんですよ、という意志表示なんだと思う。
さて、ドラマ全体として見ると、まず、深夜枠だから勝手に1回30分だろうと思っていたら、何と1時間枠。
内容も重いので、毎週これが1時間続くのか、と思うと、ちょっと胃にもたれる感じはある。
また、欲を言えば、高規範子役の白石聖がぴったりで、山口紗弥加に切り替わった時に違和感がなかったのに比べると、高校時代役の石森麗華役には、もうちょっと、田中みな実に雰囲気が似た子を起用して欲しかったかな。
さらに、脚本に関しても一点文句があって、石森麗華が、友達が付き添われて簡単に中絶でき、そのまま元気に帰宅する場面があったのだが、「中絶って、独りでそんな気軽にできるのか」と、誤解を招く可能性もあり、いくらドラマとはいえ問題があると思った。こういうディテールが雑な脚本は正直嫌いだ。
初回を最後まで見終えて、ドラマのタイプとしては、主人公として極論で動く狂言回しを設定し、それにより周りの人物の行動でテーマをあぶり出す「女王の教室」や「家政婦のミタ」に近いスペキュラティブフィクションだと思われる(原作を読んでいないので、違っていたら済みません)。
このタイプのドラマは、追求したいテーマが前面に出てしまい、登場人物がそのテーマの安易な駒になってしまうと、「家政婦のミタゾノ」みたいな失敗作にもなりかねず、大変難しいとは思う。
しばらくは録画してチェックしてみるが、悪い予感が当たらなければいいのだが。
ちなみに、「絶対正義」の無料見逃し配信は、「TVer」「FOD(フジテレ・オン・デマンド)」のみで行われるそうだ。初回を見逃した方は、どうぞ。
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