伸び悩む「ラジコ」、データ活用でブレークスルーはあるか少し前の記事になるが、ラジオのネット配信サービス「radiko.jp」が、伸び悩んでいるという。
「radiko.jp」の月間ユニークユーザー数が、現在の水準に達したのは2012年頃で、それ以降はあまり伸びていないのだという。
タイムフリーを始めても、あまりユーザー数は増えていないし、シェアラジオ機能の利用も、最近はさほど伸びていないという。
radikoが記事ポータルサイト開設、番組への導線も :日本経済新聞最近、ラジオ番組に関するニュースを発信する「radiko news」を「radiko.jp」に統合し、強化したのも、このサイトをタイムフリーへの入り口にしたい意図があるのだろう。
一方で、エリアフリー機能が利用できるプレミアム会員は、55万人まで伸び、好調らしい。
利用者の数が想定以上に伸び続けてており、その収益によって、タイムフリー機能などを実装できたという。
ただ、運営側としては、「今はむしろいつこの上昇傾向が止まるのかが恐怖だ」とのこと。
radiko『ラジコオーディオアド』を開始 リスナーに合わせCM変化 | ORICON NEWS昨年7月から、音声によるターゲティング広告サービス「ラジコオーディオアド」を導入し始めているが、現在の「radiko.jp」では、プレミアム会員は登録情報から、的確なターゲティング広告が可能となっているが、それ以外の利用者は一切個人情報を取っていないため、「ラジコオーディオアド」をうまく利用できていないようだ。
そこを改善するため、
「一般の利用者にもログインして使ってもらう無料会員のモデルを構築し、より多くの顧客情報を取得できる体制が必要と考えている」とのこと。
ただ、個人属性を提供するだけのメリットがないと、利用者の理解も得られないだろうと思ったら、
「無料会員になる動機は何か、特別な機能が必要かなどを検討している」とのことで、無料会員に登録することで、何かメリットがあるような会員制度にしたい意向のようだ。
WIZ RADIOたとえば、「WIZ RADIO」では、個人属性を登録する無料会員に、ターゲティング広告を配信することで、無料で全国のJFN系列のFMラジオ局がリアルタイムで聞けるようになっている。
すなわち、ターゲティング広告により、全国での無料配信の原資がまかなえているということになる。
これを「radiko.jp」に当てはめると、
・無登録:エリア内の局のみ聴取可能(従来通り)
・無料会員:全国のリアルタイム聴取のみ可能(エリア内はタイムフリーも可)
・プレミアム会員:全国のリアルタイムおよびタイムフリー聴取が可能(従来通り)
という形で、無料会員が新設されるのではないだろうか?
ただ、こうした無料会員を新設すると、プレミアム会員から無料会員に切り替える人も出てくるだろうし、プレミアム会員に割高感を感じる人も増えるだろう。
そもそも、勝手に途中で、個人情報を利用したターゲティング広告を導入しておいて、ユーザーに対して何の還元もないのはおかしな話であり、プレミアム会員の値下げがさらに強く望まれるのは間違いないだろう。
「radiko.jp」が、次のステップでどう進化させたいのか? 注目したい。
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