電子ブック利用率は2割で頭打ち?

2015年度以降の日本の電子書籍市場は今後も拡大基調で、2019年度には2014年度の2.3倍の2,890億円程度になると予測する記事もある一方で、普及は停滞しているという記事もある。

電子書籍の利用率は、2015年1月度調査で18.5%だったのに対し、2015年12月度調査では19.0%とほぼ横ばい。
一方、「利用するつもりはない」とする人が1月度調査では36.4%だったものの、12月度調査では43.3%と上昇。「あまり関心がない」の23.4%と合わせて、7割近くのユーザーが電子書籍に興味がないということが判明したそうだ。

そもそも、電子書籍は、本をたくさん読む人ほどメリットを感じるものであって、読書自体に興味がない人が買うメリットはないのだ。

本1冊が1000~2000円だったとして、その電子書籍が2割ぐらい安かったとしても、月に1冊ぐらいしか本を読まない人間が、電子書籍を読むリーダーに1万円も出すはずがない。
その程度の読書しかしない人は、家が本であふれかえって困るなんてこともない訳だし。

それに、2014年は、楽天Koboが中心に、シェアを取りに行くために、頻繁に値引きクーポンを発行したことが、電子書籍ユーザーの拡大をけん引したが、2015年は、楽天Koboもお得なクーポンの発行をガクンと減らしたため、利用者が伸び悩むのも当然だろう。

最近は、伸び悩みを意識してか、楽天Koboもお得なクーポンの発行を増やしているみたいだが。

私自身、一時の激安クーポンに慣らされてしまい、昨年はお得なクーポンを待っていたら、あまり電子書籍を買わなくなってしまった。
それは、私自身については、本自体を買う数が大幅に減ったことも意味する。

それに、未だに電子書籍化を拒絶する有名作家がたくさんいることにも困っていて、それらは紙の本で買わざるを得ないが、買っても本を置く場所がなくて、買う気が進まないのだ。

この事態が、国内の景気動向によるものではないことは、