細田守監督の最新作「未来のミライ」が今夏公開される一方で、新海誠監督の最新作はどんな状況なのだろうか？
調べてみたら、新海誠監督が所属するアニメ制作会社コミックス・ウェーブ・フィルムから、新作アニメ映画の発表があったようだ。
コミックス・ウェーブ・フィルムの新作アニメ映画『詩季織々』今夏公開 - 映画・映像ニュース : CINRA.NET残念ながら、新海監督の作品ではないのだが、「詩季織々」という作品が、今夏に東京・テアトル新宿、シネ・リーブル池袋などで公開されるそうだ。
「詩季織々」は、中国の3都市が舞台で、「食」「衣」「住」をテーマにした3つの短編作品「陽だまりの朝食」「小さなファッションショー」「上海恋」からなるオムニバス短編となっている。
総監督を務めるのは、中国のアニメスタジオ・ハオライナーズの代表リ・ハオリン氏で、各作品の監督は、「上海恋」がリ・ハオリン自ら、「陽だまりの朝食」は、実写映画出身でアニメ初挑戦のイシャオシン氏、「小さなファッションショー」は、新海作品のCGチーフを長年務めた竹内良貴氏の初監督作となる。
「陽だまりの朝食」では、上海で働く男性が、幼い頃、出身地で祖母とともに毎朝食べた朝食の思い出が描かれる。
「小さなファッションショー」は、人気モデルのイリンと専門学校生のルルの姉妹の物語。
最後の「上海恋」は、1990年代を舞台に、石庫門に住む少年と少女が抱く淡い想いを描いた作品とのこと。
制作は中国側が主体のようだし、日本での公開は小規模であることから、それだけで製作費が回収できるとは思えない。
だから、この作品のメインの市場は中国本土なのだろう。実際、中国で人気のある新海作品の絵で、中国人監督の作品となれば、間違いなく中国では一定のヒットが見込めるはず。
コミックス・ウェーブ・フィルムとしても、新海誠監督が次回作の構想が固まるまで、作画などのスタッフを遊ばせておくわけにもいかないので、ある意味つなぎ仕事で、この作品の制作を請け負ったというのが、本当のところなのではないだろうか。
新海誠監督自身の、次回作に向けての動きはどんなものかと調べてみたら、
『君の名は。』新海誠監督、「若い人に届けたい」現在製作中の次回作について語る | cinemacafe.net2017年9月7日に、東京・六本木の国立新美術館で行われた「新海誠展 －『ほしのこえ』から『君の名は。』まで－」の記者会見に新海誠監督が出席、会見後の取材に応じ、次回作について「現在、製作中」と認めている。
その際の内容を要約すると、
・2017年3月から企画を立ち上げ、9月時点では、脚本や美術設定を進めている時期
・テーマについてはまだ言えないが、「君の名は。」と同じく、若い人のために映画にしたいと思っている
・抽象的だが、いまの若い子たちが『これは自分たちの物語なんだ』『自分たちに何か語ってくれる作品なんだ』と思ってもらえる作品にしたい
とのことだったが、その後、2017年末にブログで明らかにしたことによれば、
新海誠監督 新作テーマ明かす「届かない空に…」脚本はすでに完成― スポニチ Sponichi Annex 芸能・新作のテーマは「届かない空に必死に手を伸ばし続けるようなひとの話」にしたいと思っている
・年末時点で、脚本は完成している模様
・制作作業はまだまだこれからが本番で、2018年は、新作映画のためだけに費やす1年にしたい
・発表できるのはまだずいぶん先になると思う
ということで、脚本は完成したとのこと。
映画『君の名は。』新海誠監督インタビュー！ | アニメイトタイムズ新海誠監督の作り方が変わっていなければ、今は、絵コンテならぬビデオコンテを作りながら、ビデオコンテが完成した部分から順次作画に入っている段階かと思われる。
宮崎駿監督は、まず絵コンテを作り上げ、それをベースに作画スタッフにアニメ制作を指示するが、新海誠監督は、パソコンの扱にも長けているので、スタッフがさらにイメージが沸きやすいビデオコンテを制作する方法を取るのだそうだ。
今夏公開の「詩季織々」については、2か月の前の今なら、恐らく作画はほぼ完了し、音入れや細かな調整の段階だろう。
そろそろ、作画スタッフの手も空いてきたところで、新海誠監督の新作の制作が本格化している段階かもしれないな。
そして、新海誠監督の場合、過去の作品の製作期間は、ビデオコンテ完成後1年程度のようなので、2019年の夏ごろには、新作を見ることができるかもしれない。
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