今更、庵野が「ナウシカ」をやりたいというのは、ニュースなのか？

「庵野秀明」スタッフが明かす次回作情報　「国民的アニメ映画をリメイク予定」（デイリー新潮） - Yahoo!ニュース

ネットニュースメディア・デイリー新潮に、庵野秀明についての記事が掲載されており、そこで、庵野さんが社長を務めるアニメ制作会社「カラー」のスタッフの発言として、庵野さんが、今後、庵野監督ではない、誰もが知っている国民的アニメ映画監督の代表作のニューバージョンを製作する予定であると、報じている。

実は、このデイリー新潮の記事は、「週刊新潮」2021年5月6日・13日号に掲載された記事の転載なのだが、なぜか「週刊新潮」の記事から、最後の1行が削除されている。

その文章とは次の通り。

その新作が動き出せば、再びスタッフたちは大わらわに……。休息の時は今（ナウ）しかない。

しょうもない駄洒落で、その作品名（風の谷のナウシカ）を匂わせたということらしい。

ネットニュースに転載する際は、さすがにマズかろうと、その部分をカットしたのだろう。

国民的アニメのリメイクは「デマ」　カラー、庵野監督次回作についての一部報道を否定 - ITmedia NEWS

これに対して、「カラー」からは、報道内容を否定する発表があり、この報道は、これにて決着したようだ。

庵野秀明ら有名監督が『ナウシカ』実写化オファー | RBB TODAY

鈴木敏夫氏「庵野秀明にナウシカ2をやらせようとしたら、宮﨑駿が激怒して…」 本当にあった、続編構想 - ログミーBiz

ただ、宮崎駿の愛弟子である庵野さんが、ナウシカの続編をやりたいということは、以前からずっと言っており、公然の事実。

いまさら、なんでこれがニュースなのだ？という思いもある。

元々の話では、庵野さんが作りたいのは、映画「風の谷のナウシカ」の続編であり、映画とは全く違う展開を見せる、マンガ「風の谷のナウシカ」の結末までを描く作品をやりたいということだった。

今回の記事で出たように、ナウシカの「ニューバージョン」を作りたいなんて、これまで言ったことがないだけに、この記事内容には首をかしげざるを得ない。

「その辺の分かっていなさ」からも、今回、新潮に情報をリークした人間、および、新潮の記者が、庵野秀明という人間に大した興味はなく、過去の発言など全く読んだことがないことが丸わかり。

おそらく、下っ端でバイト仕事をしていた人間が、小遣い欲しさに、記者に適当なことをしゃべったんだろうな、というのが、今回の新潮の記事の真相だろうと思う。

宮崎駿監督が『風の谷のナウシカ2』の作成にOK 「庵野が『ナウシカ』やればいい」 | 非公式スタジオジブリ ファンサイト【ジブリのせかい】 宮崎駿・高畑勲の最新情報

このインタビューによれば、宮崎駿は、「風の谷のナウシカ」の続編について、次のように発言している。

それはもう、（自分が作るのは）止めたほうがいいと思ってます。僕はやっぱりやる気はない。

これで、くたばるのは嫌だ、と思ったんですが、「いいやいいや、庵野が『ナウシカ』やればいいんだ」って（笑）。

それは、もう好きにすればいいって、そういうふうに思ったんですね。大した問題じゃないって。やりたかったら、やればいいって。

僕も、亡くなった人の作品を、やりたいようにやってますから。それでいいんだと思いました。

そういう関係です。

すなわち、この時点で、庵野監督がナウシカの続編を作ることを、宮崎駿自身が了解しており、鈴木プロデューサーも作らせたいのだから、あとは、庵野監督がいつ決心するか、だけだと思う。

大昔に、ここまでの話が出ているのに、今頃になって、スクープ気取りの記事を書いて、悦に入って駄洒落にを書いた新潮記者の恥ずかしさったら、ないよね。

ところで、私自身も、庵野監督によるナウシカの続編については期待しているが、作るにしても、なんとなく、宮崎駿が亡くなった後かな、という気がしている。

「勝手に作ればいい」とは言いつつ、元気に生きていれば、滅茶苦茶面倒な人だから。

それに、どうせ、考え始めてから完成まで、10年はかかる人だから、必然的にそうなるでしょ（笑）

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