というのも、なんで、いまさら「失楽園」のリメイクなのか? しかも、2度目? ほかにネタないの?
と思うと、今の日本映画界の病理さえ透けて見えるからだ。
作家・渡辺淳一氏が亡くなったそうだ:コンテンツって言い方、嫌いだけど:So-netブログそもそも、原作者の渡辺淳一自体が、男の側からの理想の女性は描けるが、決して、女性から見てリアルな女性像が描ける作家ではなかったし、実生活でも、既婚者なのに、(言葉を選べば)やたら恋多き人で、それを隠すどころか、平気でエッセイに書いてしまう人だった。
今だと、メディアに出たら、炎上案件だらけの人だよ。
「失楽園」を読んでもそれは明らかで、正直言って、女性観が古いんだよ。
だから、そもそも、今のこの時代に、この作品をリメイクする意味が分からない。
その今の時代とのズレに気づかず、時代遅れのオッサン論理で、「失楽園」で、話題になりそうな女優を脱がせて、大ヒットをもう一度!
結果、映画一本でウハウハ儲けるという「一丁上がりの装置」として、今でも通用すると思い、安易なリメイクを企画しているとしか、私には思えない。
田中みな実が、初めての映画で、そんな安易な企画に乗らなくて、ホントによかったと思っているのだ。
マンガ原作に何のリスペクトもない、実写版映画の乱発(もちろん例外もある)といい、こんな安易な発想ばかりじゃ、日本の実写映画が衰退するのは、当たり前だろうな。
田中みな実、女優デビュー3年めで映画主演ゲット…役どころは「結婚できない女」(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース田中みな実、映画初主演で“結婚できない女”熱演も、「結婚=幸せ」の固定概念に異議! - wezzy|ウェジー田中みな実、主演映画撮影中? 脱イロモノ女優を目指し、本気の下積みも|日刊サイゾーさて、一方で、田中みな実はというと、最新の情報によれば、今冬公開予定の新作映画で主演を務めるというニュースが入ってきた。
現在、その撮影にどっぷり入っているらしい。
最近、レギュラー番組以外には、全然テレビに出ないのも、そのせいなんだろう。
映画の詳細は明かされていないが、漏れ聞こえてくる情報もある。
・将来への不安を抱える女性たちを描いた人気漫画を実写映画化したものこれだけでは、いろんな作品があり過ぎて、現時点でその漫画を特定するのは不可能だが、今の時代らしいテーマではある。
また、テーマだけ見ても、これが大ヒットを狙った映画ではなく、地味な日常を掘り起こすタイプの映画であることは明らか。
・メガホンをとるのは、29歳にして映画監督と小説家の “二刀流” で活躍する女性監督その二刀流というと、最初に思い浮かぶのは、西川美和あたりだが、年齢が全然違う。
ふくだ ももこ年齢を考慮すると、おそらく「ふくだももこ」さんか。
年齢がぴったりだし、作家と映画監督の二刀流を両立させており、田中みな実と同じフラーム所属の松本穂香主演の映画を2本撮っていたりするので、その点でも可能性は高そうだ。
・田中みな実が演じるのは、彼氏に対してモヤモヤした気持ちを抱えている『結婚できない女』・ただし、田中みな実に合わせて、設定が原作からかなり変更されている模様主人公の設定が、リアルな田中みな実に近く、脚本を彼女に合わせて変えたというところから、おそらくオーディションではなく、監督自ら出演依頼したのではないかと思う。
なお、この「Yahoo!ニュース」の記事のコメント欄でも、相変わらず馬鹿が、クズコメントを乱発しているが、あまりに的外れで笑えてしまうな。
まず、監督が、「ふくだももこ」さんだとしたら、この映画は、いわゆるお金を掛けて、全国ロードショー公開することを狙ったビッグバジェット映画ではない。
田中みな実が「失楽園」のような大作映画に出演するというなら、事務所の力で出演が決まったという揶揄も分からなくはないが、これは、そんな映画ではない。
おそらく、監督自らが作りたくて、資金を集めて作る映画であり、単館上映が中心となるし、それでも何とか元が取れる程度の低予算映画となるはずだ。
田中みな実も、主演だからといって高いギャラが貰えるはずもない。それでも、作品に魅力を感じたからこそ、出演を受けたのだと思われる。
田中みな実は、演技がヘタだの、主役の器じゃないだの、事務所のバーターだの、素人が勝手なことを言っているが、こういう作品では、配役を決めるのは監督の意向がすべてだ。
プロの映画監督が、映画のピースとして彼女が最適だと思い起用したのに、そこにド素人が、どんな知見をもって口を挟むのか。
もちろん、映画で主役を演じたからといって、こうしたスモールバジェット作品の場合、そこからの道は険しい。
低予算だから、映画で表現できることにも制限があるので、それをぶち破る何かがないと、何の注目も集めることもなく、埋もれてゆく。
そうした作品が大半だろう。
とはいえ、もし完成した映画の出来が良ければ、国内外の映画祭に出品されることもあるだろうし、運が良ければ、どこかの映画祭で何かを受賞するかもしれない。
もし、海外の映画祭でハクが付けば、たとえエンタテイメント性がない地味な作品でも、逆輸入のような形で、日本でも上映館も広がるかもしれない。
田中みな実自身も、この映画が、映画の新人賞を取れる最初で最後のチャンスだ。
もし、いい演技ができて、新人賞が取れたら、本人の自信になるだろうし、世間的にも、ここで本当の俳優として認められることになると思うから、そりゃ真剣に取り組むでしょう。
なので、今は、彼女は、役者業として、一番着実で正しい道を歩んでいると思う。
それを見誤らなかったのは、たくさんの女優を育ててきた「フラーム」という事務所のノウハウ、知見も大きいのだろう。
その意味で、彼女が事務所を移籍したのは、正解だったと思う。
さて、これまでは、主にタレントとしての田中みな実について興味があり、このブログでも何度か取り上げてきたが、彼女が、今後、役者をメインの仕事としていくなら、今後、彼女について取り上げることは、あまりなくなりそうだ。
もちろん、彼女が出演した映画やドラマで、面白いものがあれば、作品として取り上げることはあるかもしれない。
そうなるよう期待しているので、役者業、頑張って続けて欲しいと思う。
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