バート・バカラックが94歳で死去 20世紀を代表するポップス作曲家 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)ポピュラー音楽家の巨匠、バート・バカラック(Burt Bacharach)が、2023年2月8日、ロサンゼルスの自宅で自然死のため亡くなったそうだ。
バート・バカラックは、1928年、米ミズーリ州カンザスシティ生まれで、作詞家ハル・デヴィッドとのコンビで知られ、60年代前半から80年代にわたり、数多くのヒット曲を生み出した。
メロディアスな名曲が多く、全米で73曲、全英で52曲のトップ40ヒットを記録した。
映画音楽の世界でも活躍し、「何かいいことないか子猫チャン」(1965年)、「007/カジノ・ロワイヤル」(1967年)、「明日に向かって撃て」(1969年)、「ミスター・アーサー」(1981年)などのサウンドトラックを担当し、「明日に向かって撃て」では、アカデミー作曲賞と歌曲賞を、「ミスター・アーサー」で再び歌曲賞を受賞している。
彼の曲で、一番の大ヒットは、B.J.トーマスの「Raindrops Keep Fallin' on My Head(雨にぬれても)」だと思うが、
私が最初に聞いた曲は、多分、カーペンターズの「(They Long To Be) Close To You(遥かなる影)」だったと思う。
その後も、全米ナンバーワンヒットになったクリストファー・クロスの「Arthur's Theme (Best That You Can Do)(ニューヨークシティ・セレナーデ)」も印象深い。
そうした数ある名曲の中でも、個人的一番好きな曲は、キャロル・ベイヤー・セイガーと共作し、ディオンヌ・ワーウィックが、スティーヴィー・ワンダー、グラディス・ナイト、エルトン・ジョンと共演した、1985年の大ヒット曲「That's What Friends Are For(愛のハーモニー)」だ。
この曲は、米国エイズ研究財団のためのチャリティーシングルとして発売され、1986年のBillboard年間チャートで1位のシングルとなったから、聴いたことがある人も多いだろう。
いずれも、バカラック独特のエモーショナルな曲展開もあって、一聴して彼の曲であることが分かるほど。
情感たっぷりのバラードが多いが、サビはメジャーコードの明るい曲が多いのも特徴で、バラードと言うと、やたらマイナーコードが多い日本とは対照的で、実にアメリカ的ではある。
また、美しいメロディーを際立たせたアレンジの曲たちは、昨今のリズム重視の楽曲とは対極の存在だな。
これまで数多くの名曲を生み出してくれたことに深く感謝しながら、改めてご冥福をお祈りしたい。
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