外した原因は、最近ネタを見たことがあるのは、マシンガンズと、三四郎、囲碁将棋だけで、いずれもネタが仕上がっていて印象に残っていたが、それ以外の5組については、昔見たネタの印象だけで軽視していたことだと思う。皆、レベルが高かった。
さて、まず気になったのは、採点方法。
プロの芸人は審査に参加せず、会場に入った一般の方やお笑いファンの中から100名が審査員となり、それぞれ3点の持ち点で採点を行うという、かつてない方式。
大会アンバサダーの松本人志は、漫才に対しコメントを言うだけの立ち位置だった。
素人だけによる採点ということに不安もあったが、採点結果を見ると、これが至ってまともだった。
一回戦の結果は、次の通り。
第1試合 マシンガンズ＞金属バット
金属バットが、昔見た印象とは違い、正統派漫才に変身していたのにびっくり。
逆に緊張があったのか、マシンガンズが固くて、リズムが悪く、負けたかも？と思ったぐらい。
第2試合 三四郎＞スピードワゴン
ウエストランドっぽい毒舌ネタの三四郎が圧勝だったが、以前見たことがるネタで、新鮮さはなかったので、同じパターンなら次は厳しいと思った。
第3試合 ギャロップ＞テンダラー
テンダラーは、昔見た漫才よりさらに進化している感じがして、勝ったと思ったが、新しさはないが、鉄板のハゲネタでギャロップが勝ち抜けた。
この時点では、まさかギャロップが優勝するとは思わなかった。
第4試合 囲碁将棋＞超新塾
超新塾は、長らく見たことがなかったが、今も面白いことを再確認した。ただ、審査員には、漫才らしくないと思われたのかなぁ。思ったより点数が伸びなかった。
囲碁将棋は、彼ららしいヒネりがあるネタで、初見の客が多い場で、ちょっとネタの選択を誤った感じもしたが、何とか勝ち抜け。
さすが8組に残ったのはベテランコンビばかりだ。
皆、緊張はしていても、しっかりウケを取るし、部分的にウケが薄い場面があっても、そこから焦って泥沼に陥るようなことがない。
そこは、若手中心の「M-1グランプリ」なんかと違うところだな。
準決勝は、得点が高かった三四郎と囲碁将棋が後攻を選択したが、どちらもそれが有利とはならなかった。
第1試合 マシンガンズ＞三四郎
マシンガンズは、おそらく一番自信あるネタを、アドリブも交えのびのびと演じ、この時点で最高得点を獲得。
三四郎は違うパターンで挑戦したが、一回戦よりネタが弱く、及ばなかった。
第2試合 ギャロップ＞囲碁将棋
ギャロップと囲碁将棋は、どちらも面白くて完成度も高く、これは僅差の勝負になるな、と思ったら、何と、本当に同点！
しかも、マシンガンズと同じ得点という、ハイレベルの戦いとなった。
ただ、大会規定で3点を入れた観客が2人多かったギャロップの勝利となった。
囲碁将棋は、彼らの実力は十分にアピールできたとは思うが、どこまでも運がないなぁ。
個人的には、一番応援していただけに残念だ。
決勝戦 ギャロップ＞マシンガンズ
そして、決勝は、準決勝で同じ点数だったマシンガンズとギャロップの対決。
マシンガンズは、リズムのいいしゃべくりではあったが、ネタとしては準決勝の方が上。
ギャロップは、ツッコミをギリギリまで我慢して爆発させるという、また違ったパターンのネタで攻めてきて、そこで勝負あり。
結果的に、ギャロップの優勝は納得だ。
ギャロップは、関東にいると全然テレビで見ないので、漫才を見たのも、20年ぶりぐらいだと思う。
その時もハゲネタをやっていて、一回戦がハゲネタだったので、今でもこれなの？と油断したのが大間違い。
準決勝、決勝では、しっかり別のパターンを用意してきて、しかも、後のインタビューによれば、準決勝は、相手のネタとのかぶりを気にして、直前に決勝のネタと入れ替えたらしい。
それでも何の動揺もなく、やり遂げるあたり、ベテランらしい地力の高さを感じたな。
さて、話題を呼んでいるギャロップだが、彼らが今さら東京に進出するとは思えないので、今後も、関西を地盤に、ミルクボーイのような活躍の仕方になるのではないかと思う。
一方、紙一重で優勝を逃したマシンガンズ、囲碁将棋も、この大会が売れる機会になるといいのにな、と思う。
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