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宇多田ヒカルが米国音楽チャートで2位にランクインした背景 [音楽]

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宇多田楽曲 全米iTunes2位の快挙 日本人最高位 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

宇多田ヒカルの楽曲「光-Ray Of Hope MIX-」(REMIXED BY PUNPEE)が、全米iTunesチャートで2位にランクインしたことが、ニュースになっている。
これは、日本人アーティストでは最高位であり快挙だそうだ。
ちなみに、この曲は、1月11日に全世界で配信スタートされて以降、日本を含む9カ国で1位を獲得しており、そのことも凄い。

この曲は、2002年発売のングル曲「光」のリミックスバージョンで、世界的にヒット中のゲーム「キングダムハーツHD2.8」のテーマソングだというのが、世界でも火が付いた要因のようだ。

ただ、私自身は、それほど驚きはしなかった。

宇多田ヒカルの「Fantome」全米6位が、どれくらいすごいのかわかりやすく説明する - BASEMENT-TIMES

というのも、宇多田ヒカルのアルバム「Fantome」が、昨年6月頃に、全米のiTunesアルバムチャートで最高3位まで上がり、その時の方が驚いたからだ。

アメリカでは通用せず…大失敗に終わった宇多田ヒカルの全米デビュー - ライブドアニュース

宇多田ヒカルといえば、2004年にユニバーサルミュージックで、Utada名義のアルバム「EXODUS」をリリースして全米デビューし、この時、かなりのお金のかかったプロモーションを行ったのだが、結果、160位と大コケしてしまった。
英語がネイティブの宇多田でも、全米チャートの壁は厚いのか、とガッカリした覚えがある。

ところが、今回の「Fantome」は、米国ではほとんどまともなプロモーションは行なっておらず、宇多田本人が2位にランクインしたことを知って、ツイッターで驚いたほどだった。

そんな下地があったから、今回、シングル曲でも、チャートインしたことは、それ程驚きではないのだ。

彼女に限らず、昨今は日本人アーティストが、全米チャートでランクインする現象は、最近珍しくなくなってきた。

BABYMETAL、全米TOP40入りの快挙 坂本九さん以来53年ぶり2組目 | ORICON NEWS

「BABYMETAL」のアルバム「METAL RESISTANCE」は、ビルボード誌の全米総合アルバムチャートで39位にランクインした。
日本人アーティストがTOP40入りしたのは、1963年の坂本九のアルバム「Sukiyaki And Other Japanese Hits」が14位に入って以来53年ぶり、史上2組目の快挙という。

こちらは、米国iTunesチャートのランキングではなく、ビルボード誌の総合チャートなので、より価値が高く感じてしまう。
自分の世代だと、音楽のヒットはビルボード誌が絶対的な指針だったからだろうが、ビルボード誌のランキング自体も、もはやCDの売り上げだけで決めているのではなく、放送や配信の回数、YouTubeなどの再生回数などを組み合わせて決めている時代なので、その意味は随分変質している。

ピコ太郎「PPAP」が米ビルボード77位 松田聖子以来26年ぶりの日本人トップ100入り - 産経ニュース

ピコ太郎の「PPAP」も、米ビルボードチャートで、77位にランクインした。これは、1990年のドニー・ウォルバーグ&松田聖子の「ザ・ライト・コンビネイション(The Right Combination)」以来、26年ぶりのランクインらしい。
ランキング自体は77位と大したことがないように見えるが、「PPAP」は、CDリリースも、有料音源配信も行っておらず、純粋にYouTubeによる視聴回数だけで77位に入ったと考えると、これが如何に凄いかが分かる。

過去にも、全米音楽チャートに挑戦した日本人ミュージシャンはたくさんいたのだが、ジャンル別のチャートにはランキングすることはあっても、総合チャートでは、ことごとく跳ね返されてきた。

まずは、英語がネイティブでないだけで笑われて、おしまい。これで大半の日本人ミュージシャンが脱落した。

この壁を最初に破ったのが「ABBA」だったのだが、その話はまたの機会にするとして、八神純子、荻野目洋子、久保田敏伸、ドリカムなどは、一応全米で発売はしたものの、実質的にはほとんど売れず。

それでも、この頃全米デビューする日本人が続々現れたのは、彼らのレコードやCDを、日本の所属レベールがまとめて輸入して、日本語のシールを張って日本で販売することにより、全米チャートにもランクインし、しかも、そのことを宣伝文句すれば、日本でその輸入盤が売れて、日本のチャートにもランクインするというカラクリがあったからだ。

松田聖子も最初はそのパターンで全米進出したのだが、彼女が立派なのは、その後、米国で本気で売れたいと移住してかなり期間頑張ったこと。
1990年の「The Right Combination」も、彼女より有名ミュージシャンとのデュエットとはいえ、日本側のレーベルの底上げ施策なしでチャートインしており(だから日本では全く知られていない)、これはもっと評価されていい。

竹内まりや、小田和正、山下達郎など、米国向けに英語曲を録音したものの、音楽性というよりは、英語の発音がダメで、結局日本でしか発売されなかったミュージシャンも多かった。

ゴダイゴは、英国で、放映したドラマ主題歌「水滸伝のテーマ」を出したが、タケカワユキヒデの英語にOKが出ず、この曲だけドラムスのトミー・シュナイダーが歌う羽目になったりした。

そういった苦渋の挫折の歴史の後で出てきた、宇多田ヒカルの英語は、ネイティブで全く問題なかったのだが・・・
アルバム「EXODUS」がヒットしなかったのは、音楽性をあまりに米国のブラコン事情に寄せ過ぎて、別に宇多田でなくてもいいようなアルバムになってしまい、彼女の個性が感じられなかったのが、原因だったと思う。

しかし、その後のネットでの書き込みを見ていると、ゲーム音楽の世界から彼女の音楽を知り、ファンになっている海外の人たちが非常に多く、昨今の米国でのヒットも、その状況がじわじわと効いて、今回、ついにブレイクしたと考えるのが妥当に思える。

日本人に限らず、英語がネイティブでなくても、全米でヒットする曲も以前より増えている。
YouTubeなどで、外国の方が、日本の好きな曲を、日本語のまま歌っていたり、さらには、英語が一部混じった曲で、英語部分をカタカナの発音や譜割りで歌っているのを見ると、なんだか不思議な気分になるな。

最大の言葉の壁さえ瓦解しようとしているのであれば、今後は、日本人が全米や、世界中の音楽チャートでランクインする現象は、もっと増えそうだ。

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