JASRACが、音楽教室から著作権料を徴収するらしい [著作権]
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【衝撃】恐るべしJASRAC!音楽教室からも著作権料徴収にネット大反発!|面白ニュース 秒刊SUNDAY
最大手の音楽著作権団体の「JASRAC」が、「ヤマハ音楽教室」などの音楽教室なども、不特定の「公衆」とみなされるという根拠で、演奏権が発生するため、著作権料を年間受講料収入の2.5%払うよう要求しているそうで、早ければ来年1月から徴収が開始されるという。
音楽著作権団体であるから、管理する楽曲の著作権を利用してビジネスを行う場合、著作権使用料を徴収するというのは、まあ正当の活動範囲ではある。
ただ、この音楽教室からの徴収に関しては、次のような争点があるだろう。
・音楽教室の生徒と先生だけがいる場で演奏の手本を見せたり、練習をするのを、不特定の「公衆」での演奏と見なしていいのか? 生徒は、音楽教室と契約を結んで授業に参加しており、不特定の公衆と言えないのではないか?(ちなみに、こうした音楽教室の成果発表としてよく行われる発表会では、明らかに公衆での演奏になるため、通常、著作権使用料を既に支払っている。)
・音楽教室で、クラシックの著作権切れの楽曲や、「JASRAC」管轄外の楽曲のみを手本に教える場合は、著作権使用料を払う必要はないのではないか?
・音楽教室の場合、クラシックの著作権切れの楽曲を使用するケースが多いし、授業の時間の多くは個人の練習が多いはずなのに、年間受講料から一律2.5%もの著作権使用料を聴取するというのは、あまりに高くないか?(ちなみに、現在、放送局はJASRACに放送事業収入の1.5%を払っている)
実際、大手の音楽教室側では、訴訟を起こす動きもあるようだが、是非やって決着をつけて、しっかりした判例を引き出して欲しいと思う。
十分勝てる余地があると思うし、負けても、著作権使用料の大幅減額が見込めると思うからだ。
ちなみに、JASRACは、高給取りの幹部も多い非常に大きな団体なので、組織を維持し彼らを食わせるために、「著作権収入の維持」と「徴収コストの削減」が長年の命題で、これまでのJASRAC絡みの悪評は、この命題に沿った彼らの活動にあると言っていい。
デジタル録画機の著作権料訴訟、支払い拒んだ東芝勝訴 :日本経済新聞
例えば、CD-R、DVD-R、BD-Rから徴収されていた著作権保護メディアの著作権使用料が、みんなHDDにしか録画、録音しなくなり、急激に収入が減り始めて危機感を抱き、法律から見ればかなり無理筋のレコーダーやiPodなどの音楽プレーヤーからも、直接著作権使用料を取ろうと画策したが、2010年に裁判で負けて、ようやく諦めた経緯がある。
JASRACが美容室を中心に一斉「法的措置」…店舗で「BGM」を流す際の注意点 - 弁護士ドットコム
記録媒体からの著作権収入の減少に危機感を抱き始めた頃から、お店への著作権使用権の徴収の大幅強化の方針を打ち出し、取りこぼしの多かった中小のカラオケ使用の飲食店への強化や、CDなどでBGMを流す美容室やエステなどからの徴収も始めたりし、著作権収入を維持している。
今回の音楽教室教室からの徴収要求も、著作権収入維持策の一環と見ていいが、ということは、おそらくJASRACの著作権収入が再び減り傾向が見えていて、それを何とか押し戻したいのだろう。
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徴収コストの削減という意味では、現在、ラジオ局とJASRACの契約内容が、独禁法違反との判決が出た一件が挙げられる。
ラジオ局は、JASRACと、著作権包括契約を結んでおり、放送事業者が年間の放送事業収入の1.5%を支払えば、JASRAC管理下の楽曲が自由に使える。これが、他の著作権管理団体の参入を阻害していると判断されたのだ。
なんでそもそも、そういった契約をしているかといえば、本来、ラジオでどんな曲がかかったかを全部ログを取り、それに基づき、掛かった曲の著作権者に配分すればいいはずだが、それには手間がかかってコストがかかるので、手続きを簡単にしたい。
JASRACとしては、ラジオ局の収入の何%という形の方が、手数も掛からず、収入も安定して入るから、嬉しいのだろう。(もちろん、この方式のお蔭で、JASRAC幹部のお年寄りに厚く著作権使用料が配分されるという裏話もあるが、ここでは省略。)
音楽を使うお店での著作権使用料も、決して、どの曲をどれだけ流したかを調べて、それに基づき使用料を要求するのではなく、お店の営業規模で何段階かのクラスを決めて、グロスで年間定額の使用料を要求しているのも、徴収コストを抑えながら、変動の少ない確実な収入を確保するためだ。
今回も、音楽教室に個別に楽曲がどれだけ使用されているかは調べることもなく、年間受講料から一律2.5%という要求の仕方をしているのも、まったく事情は同じだと思う。彼らは、お金は欲しいけど、面倒な仕事は増やしたくないのだ。
わずかに復調、3000億円を回復…音楽CD・有料音楽配信の売上動向(2016年)(最新) - ガベージニュース
音楽市場は、近年、基本的に縮小傾向にあるのだが、それは、ネットメディアへの移行や、ラジオの凋落などからも当然の結果ではあるのだが、
使用料徴収額の推移 JASRAC
一方で、JASRACの著作権収入は、上記グラフとのおり、大きく下がることなく維持している。これは、これまで書いた彼らの徴収先の拡大という努力(?)によるところが多いのだろう。
JASRACの天下りと高給所得考
【利権】JASRAC役員の顔写真がこれだ! - NAVER まとめ
通常の企業であれば、収益が悪化すれば、まず真っ先に内部の無駄な固定費を削減するのが筋だし、今の時代、普通の会社は、無駄な役員を雇う余裕などないのだが、JASRACでは、収益悪化時にも、そのようなリスト化、組織のスリム化が行われた形跡はなく、誠にもって羨ましい限りだ。
ここでは、その是非は論ずるつもりはない。というのも、JASRACがどうあるべきかを考えるのは、JASRACと契約を結んで著作権管理を委託している音楽関係者自身次第だからだ。
ただ、JASRACの世間に波風を立てる言動は、大抵は、「著作権収入の維持」と「徴収コストの削減」の2つの行動原理さえしっかり押さえれば、非常に分かりやすいよ、というお話でした。
関連記事:
著作権保護期間延長は本当に日本に不利なのか?:コンテンツって言い方、嫌いだけど:So-netブログ
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ただ、この音楽教室からの徴収に関しては、次のような争点があるだろう。
・音楽教室の生徒と先生だけがいる場で演奏の手本を見せたり、練習をするのを、不特定の「公衆」での演奏と見なしていいのか? 生徒は、音楽教室と契約を結んで授業に参加しており、不特定の公衆と言えないのではないか?(ちなみに、こうした音楽教室の成果発表としてよく行われる発表会では、明らかに公衆での演奏になるため、通常、著作権使用料を既に支払っている。)
・音楽教室で、クラシックの著作権切れの楽曲や、「JASRAC」管轄外の楽曲のみを手本に教える場合は、著作権使用料を払う必要はないのではないか?
・音楽教室の場合、クラシックの著作権切れの楽曲を使用するケースが多いし、授業の時間の多くは個人の練習が多いはずなのに、年間受講料から一律2.5%もの著作権使用料を聴取するというのは、あまりに高くないか?(ちなみに、現在、放送局はJASRACに放送事業収入の1.5%を払っている)
実際、大手の音楽教室側では、訴訟を起こす動きもあるようだが、是非やって決着をつけて、しっかりした判例を引き出して欲しいと思う。
十分勝てる余地があると思うし、負けても、著作権使用料の大幅減額が見込めると思うからだ。
ちなみに、JASRACは、高給取りの幹部も多い非常に大きな団体なので、組織を維持し彼らを食わせるために、「著作権収入の維持」と「徴収コストの削減」が長年の命題で、これまでのJASRAC絡みの悪評は、この命題に沿った彼らの活動にあると言っていい。
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例えば、CD-R、DVD-R、BD-Rから徴収されていた著作権保護メディアの著作権使用料が、みんなHDDにしか録画、録音しなくなり、急激に収入が減り始めて危機感を抱き、法律から見ればかなり無理筋のレコーダーやiPodなどの音楽プレーヤーからも、直接著作権使用料を取ろうと画策したが、2010年に裁判で負けて、ようやく諦めた経緯がある。
JASRACが美容室を中心に一斉「法的措置」…店舗で「BGM」を流す際の注意点 - 弁護士ドットコム
記録媒体からの著作権収入の減少に危機感を抱き始めた頃から、お店への著作権使用権の徴収の大幅強化の方針を打ち出し、取りこぼしの多かった中小のカラオケ使用の飲食店への強化や、CDなどでBGMを流す美容室やエステなどからの徴収も始めたりし、著作権収入を維持している。
今回の音楽教室教室からの徴収要求も、著作権収入維持策の一環と見ていいが、ということは、おそらくJASRACの著作権収入が再び減り傾向が見えていて、それを何とか押し戻したいのだろう。
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徴収コストの削減という意味では、現在、ラジオ局とJASRACの契約内容が、独禁法違反との判決が出た一件が挙げられる。
ラジオ局は、JASRACと、著作権包括契約を結んでおり、放送事業者が年間の放送事業収入の1.5%を支払えば、JASRAC管理下の楽曲が自由に使える。これが、他の著作権管理団体の参入を阻害していると判断されたのだ。
なんでそもそも、そういった契約をしているかといえば、本来、ラジオでどんな曲がかかったかを全部ログを取り、それに基づき、掛かった曲の著作権者に配分すればいいはずだが、それには手間がかかってコストがかかるので、手続きを簡単にしたい。
JASRACとしては、ラジオ局の収入の何%という形の方が、手数も掛からず、収入も安定して入るから、嬉しいのだろう。(もちろん、この方式のお蔭で、JASRAC幹部のお年寄りに厚く著作権使用料が配分されるという裏話もあるが、ここでは省略。)
音楽を使うお店での著作権使用料も、決して、どの曲をどれだけ流したかを調べて、それに基づき使用料を要求するのではなく、お店の営業規模で何段階かのクラスを決めて、グロスで年間定額の使用料を要求しているのも、徴収コストを抑えながら、変動の少ない確実な収入を確保するためだ。
今回も、音楽教室に個別に楽曲がどれだけ使用されているかは調べることもなく、年間受講料から一律2.5%という要求の仕方をしているのも、まったく事情は同じだと思う。彼らは、お金は欲しいけど、面倒な仕事は増やしたくないのだ。
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一方で、JASRACの著作権収入は、上記グラフとのおり、大きく下がることなく維持している。これは、これまで書いた彼らの徴収先の拡大という努力(?)によるところが多いのだろう。
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ここでは、その是非は論ずるつもりはない。というのも、JASRACがどうあるべきかを考えるのは、JASRACと契約を結んで著作権管理を委託している音楽関係者自身次第だからだ。
ただ、JASRACの世間に波風を立てる言動は、大抵は、「著作権収入の維持」と「徴収コストの削減」の2つの行動原理さえしっかり押さえれば、非常に分かりやすいよ、というお話でした。
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