日本でもアナログラジオ放送は終了に向かうのか? [放送メディア]
スポンサードリンク
CNN.co.jp : ノルウェー、今年末までにFMラジオ放送を廃止 世界初 - (1/2)
ノルウェーが、2017年1月から段階的に、2017年末までにFMラジオ放送を完全に廃止することを発表した(AMラジオ放送は元々ない)。FMラジオ局の完全廃止は、世界で初めてだという。
ドイツとフランスで中波AMラジオ放送が終了 - ITmedia ニュース
とはいえ、2015年末には、すでにドイツとフランスでAMラジオ放送が終了している。AMは、FMに比べてもさらに送信設備のコストが高い上に、ノイズ耐性が低く、音質も悪いため、FMよりさらに早く廃止が進むのは間違いなさそう。
DAB - Wikipedia
欧州で、アナログラジオ局が廃止できる理由として、欧州では、デジタルラジオ規格「DAB」「DAB+」によるラジオ放送が既に普及していて、ノルウェーの場合でも、すでに7割の家庭でDABラジオを持っているという背景がある。
「DAB」の規格策定には韓国が絡んでいたため、韓国メーカーが安価でたくさんの「DABラジオ」を発売していることも、普及に貢献している。
FMラジオからDAB+への切り替えは英国などの他国も検討しているそうだが、ただ、家庭だけでなく車などへの普及も考慮すると、なかなか具体的日程を決められる状態には至っていないようだ。
振り返って、日本の状況はどうだろう。
デジタルラジオに関しては、衛星デジタルラジオHiHO、地上波マルチメディア放送NOTTVが、事業撤退に追い込まれ、V-LOWマルチメディア放送i-dioもなかなかリスナーを増やせずにいる。
日本のデジタルラジオ放送は、ISDB-Tmmという日本独自規格となっているが、技術的にはデジタル変調がOFDMで、圧縮方式はMPEG Audio Layer 2がAACに変わり、マルチキャリアかシングルキャリアか、といったぐらいの違いしかなく、技術的にはDAB+と大きな差はない。
方式的にはワンセグテレビに非常に近いため、既にワンセグの音声だけが聞けるラジを開発できているメーカーなら、製品開発が難しい訳ではないのだが、対応ラジオが大手家電メーカーから一向に発売されない。
みの、久米、大沢らベテラン司会者もア然 AMラジオ局がFM局になる日が来る! - エキサイトニュース(1/2)
既存のAMラジオ局も、ワイドFM放送をスタート後、まずは、AM放送を廃止し、FM放送に完全移行することまでしか考えておらず、その先のデジタル化までは具体的に考えているようには見えない。
業界紙の日刊合同通信 第61巻 第14886号のタイトルを見ると、
とあり、確かにワイドFMもradikoも、ラジオ局にとっては、配信コスト負担が増える割に、それにより収入が増える要素がほとんどない。
ラジオのスポンサー料金やCM料金は、聴取率に比例して設定されているが、ワイドFMもradikoのお蔭で明確に聴取率がアップしたという成果が得られていないからだ。
そうなると、ワイドFMやradikoに比べても、配信コストが膨大なAM放送をやめたいというのが、AMラジオ局の本音だろう。
ただ、AMラジオ放送の廃止ですら、日本の場合、簡単ではない。
現在、AMの補完放送という位置付けのワイドFM放送を、単独として存在しうる放送に格上げする必要がある(電波法の改正も必要かも?)だろうし、現在AMラジオ放送がカバーするエリアをFMでもカバーできるよう、FM中継局の増設が必要だろう。
また、現在AMラジオを聞いている中心層であるお年寄りに対して、どうやってFMへの移行を促していくのかも、皆目見当がつかない。
AM放送を廃止すれば、ラジオ局としての送信コストを大幅に削減できるのは間違いないようだが、廃止のための移行措置には相当のコストがかかるのも確かで、民放キー局でさえ、なかなか踏み込めない状況があるのだと思う。
とはいえ、ラジオ局の財政は今後もますます厳しくなるはずで、ここ10年内には、AMラジオ廃止の決断をせざるを得なくなるだろうな。
ワイドFM対応ラジオをラジオ局が、大量にプレゼントするイベント企画をしたり、中古ラジオを、ラジオ局主導でリファビッシュして欲しい人に無償で提供するような活動なんかも行われており、AMラジオ廃止に伴う、お年寄りへのワイドFMラジオの配布については、こうした活動で無償提供できる可能性もあるだろう。
ラジオの声を作る~Audacity
VST LINK VSTeffect: Lo Fi
AMラジオ局の音質に対するノスタルジーもあって、やめて欲しくないという人もいるかもしれないが、そこまで熱心なAMラジオファンには、DSPで音質をAMっぽく加工するアダプタを開発して販売すればいいだけのことだろう。
個人的にも、ワイドFM開局以降、FMがある局はAMは全く聞かなくなったし、FMへの早期完全移行には賛成だな。
一方で、現状の受信機事情を考えれば、デジタルラジオへの移行は、全く賛成できない。
ワンセグやi-dioの受信状態を見ても、デジタル化しても聴取エリアが広がる訳ではなさそうだし、バッテリーの持ちは悪いし、デジタルコピー制御のために録音できるラジオも作りにくくなる上に、受信機のコストは確実に上がる。
リスナーにメリットが見えないので、アナログラジオを終了してデジタルラジオに完全移行するのは、地デジ以上に反発を招くだろうな。
関連記事:
忘れ かけの i-dio♪:コンテンツって言い方、嫌いだけど:So-netブログ
スポンサードリンク
CNN.co.jp : ノルウェー、今年末までにFMラジオ放送を廃止 世界初 - (1/2)
ノルウェーが、2017年1月から段階的に、2017年末までにFMラジオ放送を完全に廃止することを発表した(AMラジオ放送は元々ない)。FMラジオ局の完全廃止は、世界で初めてだという。
ドイツとフランスで中波AMラジオ放送が終了 - ITmedia ニュース
とはいえ、2015年末には、すでにドイツとフランスでAMラジオ放送が終了している。AMは、FMに比べてもさらに送信設備のコストが高い上に、ノイズ耐性が低く、音質も悪いため、FMよりさらに早く廃止が進むのは間違いなさそう。
DAB - Wikipedia
欧州で、アナログラジオ局が廃止できる理由として、欧州では、デジタルラジオ規格「DAB」「DAB+」によるラジオ放送が既に普及していて、ノルウェーの場合でも、すでに7割の家庭でDABラジオを持っているという背景がある。
「DAB」の規格策定には韓国が絡んでいたため、韓国メーカーが安価でたくさんの「DABラジオ」を発売していることも、普及に貢献している。
FMラジオからDAB+への切り替えは英国などの他国も検討しているそうだが、ただ、家庭だけでなく車などへの普及も考慮すると、なかなか具体的日程を決められる状態には至っていないようだ。
振り返って、日本の状況はどうだろう。
デジタルラジオに関しては、衛星デジタルラジオHiHO、地上波マルチメディア放送NOTTVが、事業撤退に追い込まれ、V-LOWマルチメディア放送i-dioもなかなかリスナーを増やせずにいる。
日本のデジタルラジオ放送は、ISDB-Tmmという日本独自規格となっているが、技術的にはデジタル変調がOFDMで、圧縮方式はMPEG Audio Layer 2がAACに変わり、マルチキャリアかシングルキャリアか、といったぐらいの違いしかなく、技術的にはDAB+と大きな差はない。
方式的にはワンセグテレビに非常に近いため、既にワンセグの音声だけが聞けるラジを開発できているメーカーなら、製品開発が難しい訳ではないのだが、対応ラジオが大手家電メーカーから一向に発売されない。
みの、久米、大沢らベテラン司会者もア然 AMラジオ局がFM局になる日が来る! - エキサイトニュース(1/2)
既存のAMラジオ局も、ワイドFM放送をスタート後、まずは、AM放送を廃止し、FM放送に完全移行することまでしか考えておらず、その先のデジタル化までは具体的に考えているようには見えない。
業界紙の日刊合同通信 第61巻 第14886号のタイトルを見ると、
話題続々のラジオ・経営リスクは増大?
収益生まぬ投資・FM補完サイマル負担大
「AM停波・撤退・廃止」要請噴出の帰着注目
Vロー含めスマホ全盛時代の事業モデル疑問
どうなる?五輪までとその後の放送在り様
とあり、確かにワイドFMもradikoも、ラジオ局にとっては、配信コスト負担が増える割に、それにより収入が増える要素がほとんどない。
ラジオのスポンサー料金やCM料金は、聴取率に比例して設定されているが、ワイドFMもradikoのお蔭で明確に聴取率がアップしたという成果が得られていないからだ。
そうなると、ワイドFMやradikoに比べても、配信コストが膨大なAM放送をやめたいというのが、AMラジオ局の本音だろう。
ただ、AMラジオ放送の廃止ですら、日本の場合、簡単ではない。
現在、AMの補完放送という位置付けのワイドFM放送を、単独として存在しうる放送に格上げする必要がある(電波法の改正も必要かも?)だろうし、現在AMラジオ放送がカバーするエリアをFMでもカバーできるよう、FM中継局の増設が必要だろう。
また、現在AMラジオを聞いている中心層であるお年寄りに対して、どうやってFMへの移行を促していくのかも、皆目見当がつかない。
AM放送を廃止すれば、ラジオ局としての送信コストを大幅に削減できるのは間違いないようだが、廃止のための移行措置には相当のコストがかかるのも確かで、民放キー局でさえ、なかなか踏み込めない状況があるのだと思う。
とはいえ、ラジオ局の財政は今後もますます厳しくなるはずで、ここ10年内には、AMラジオ廃止の決断をせざるを得なくなるだろうな。
ワイドFM対応ラジオをラジオ局が、大量にプレゼントするイベント企画をしたり、中古ラジオを、ラジオ局主導でリファビッシュして欲しい人に無償で提供するような活動なんかも行われており、AMラジオ廃止に伴う、お年寄りへのワイドFMラジオの配布については、こうした活動で無償提供できる可能性もあるだろう。
ラジオの声を作る~Audacity
VST LINK VSTeffect: Lo Fi
AMラジオ局の音質に対するノスタルジーもあって、やめて欲しくないという人もいるかもしれないが、そこまで熱心なAMラジオファンには、DSPで音質をAMっぽく加工するアダプタを開発して販売すればいいだけのことだろう。
個人的にも、ワイドFM開局以降、FMがある局はAMは全く聞かなくなったし、FMへの早期完全移行には賛成だな。
一方で、現状の受信機事情を考えれば、デジタルラジオへの移行は、全く賛成できない。
ワンセグやi-dioの受信状態を見ても、デジタル化しても聴取エリアが広がる訳ではなさそうだし、バッテリーの持ちは悪いし、デジタルコピー制御のために録音できるラジオも作りにくくなる上に、受信機のコストは確実に上がる。
リスナーにメリットが見えないので、アナログラジオを終了してデジタルラジオに完全移行するのは、地デジ以上に反発を招くだろうな。
関連記事:
忘れ かけの i-dio♪:コンテンツって言い方、嫌いだけど:So-netブログ
マルチメディア時代のディジタル放送技術事典 [ 日本放送協会放送技術研究所 ] |
にほんブログ村 | 人気ブログランキングへ |
スポンサードリンク
2012年に買ったアクアのラジオはワイドFM対応じゃ無いから、将来、民放ラジオの一部が聴けなくなるな。
トヨタはアップデートしてくれないのかな。
by お名前(必須) (2023-09-13 15:34)
コメントありがとうございます。
ワイドFMは、基本、ソフトで対策できる問題ではありませんので、無理だと思います。
それに、AMラジオ廃止は2028年ですが、アクアを、バッテリーを交換してまで、16年間乗りますかね?
by naniwa48 (2023-09-13 18:37)