SSブログ

学術論文の「海賊版サイト」 [著作権]

スポンサードリンク



有料論文に海賊版サイト 国内の不正入手、127万件

本来は有料の学術論文を、無料で入手できる「海賊版サイト」があるそうで、日本国内だけで昨年、延べ約127万件の論文がダウンロードされ、全世界で言えば、延べ約1億5千万件の論文がダウンロードされたことが、琉球大などの解析で分かったという。

海賊版論文サイト サイハブ / Sci-hub をめぐって -学術英語アカデミー

こうした海賊版サイトとしては、「SCI-HUB」という2011年に作られたサイトが有名なのだそうだが、私も使うことがある「Google Scholar」で検索すると、こうした海賊版サイトにアップロードされた論文を見つけられることがあるらしいのだ。

Google-Scholar-logo.png

Google Scholar

正直に言えば、私自身、「Google Scholar」は、仕事でも趣味でも使うことがあり、その結果について、海賊版が存在しているかもしれないことを、一切意識したことがなかった。

自分が、本来の仕事に関する学会の論文や、規格書を読みたい場合、その論文や規格書の入手方法というのは、しっかり把握している。
しかし、そこから外れる分野の学会ともなると、その学会がどのような方法で論文を公開しているかなど、あまり意識したことがなく、「Google Scholar」で見つかる論文なら、無料で公開されているものなのだろうと勝手に思っていた。

それがそうとは限らないということなので、今後は、気を付けたいと思う。

ただ、こうした学術論文の海賊版サイトが、絶えることがないのには、それなりの理由がありそうだ。

まず、研究者側が出版社に支払う購読料が年々上がっており、自由に論文を読みにくくなっている状況がある。
私自身も、自分が所属している学会の論文誌は一応購読しているが、それ以外となると、仕事に必要な分は、会社の仕事に必要なものは、会社のお金で買ってもらっている。

ただ、新しい分野の仕事をするときに、所属学会に縛られず、論文や特許を調べたいこともあるし、未知の分野の顧客の依頼を受けて仕事をする場合には、その顧客の技術分野について、まずは浅く論文や特許を読んだりすることもある。

そうした場合に、「Google Scholar」であたりをつけて、会社の図書館に、論文誌を購読してもらうよう頼んだりするようなことは、よくあるのだが、何でもかんでも頼むと、その金額は馬鹿にならない。

また、論文を載せる雑誌が増える一方で、雑誌総数の5割は国際的な大手出版4社が束ねていてるらしいのだが、それらの大手出版社の論文購読システムでは、論文を発表する研究者は論文の著作権を放棄しなければならないケースが多く、論文誌が売れても、実はその論文の著者には何の見返りもない構造となっているのも、通常の書籍販売と異なる点らしい。

これは本当で、私も、とある規格書をかなりのページ数執筆しているが、出版に際して、著作権を無償で放棄する旨の誓約書にサインさせられた。まあ、私の場合、会社員の仕事として執筆を担当したので、それ自体は別にいいのだが、そうではない研究者の立場だと、それがキツい人もいるだろう。

そうなると、研究者にとっては、論文や規格書が売れても、何の利益にもならない上に、他の論文を読むには高い費用が掛かるという、出版界の奴隷とも言える状況となっていて、大手出版社が、研究者のお金を吸い上げて、巨大な利益を上げている構造に見えてくる。

学術論文の「海賊版サイト」が絶えない理由は、そんないびつな構造が潜んでいることも大きいようだ。

関連記事:
海外の海賊版は駆除できるのか?:コンテンツって言い方、嫌いだけど:So-netブログ





ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ



スポンサードリンク



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。