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ニッポン放送の木更津送信所停波に思う [ラジオ]

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ニッポン放送、停電で木更津送信所から送信停止 35秒停波で切り替え 非常発電も故障/芸能/デイリースポーツ online

台風15号の影響で、ニッポン放送木更津送信所からのAMラジオ電波の送信が停止するという放送事故が発生したが、9月12日(木)の番組「Days」放送中に、非常用電源から、東京電力からの給電へ復旧する瞬間が聞けるという珍事が発生した。
興味ある方は、タイムフリーでお聴きください。

さて、この停波事故を見て、改めて思ったことを書きたい。

以前は、「AMの方が災害時には強い」という意見を言う人がいたが、今回の放送事故を見ても、これは完全に間違いであることが分かる。

・AMのアンテナは、波長の関係でFMより長く、平地にワイヤ状に設置されるため、東京スカイツリーの上部に設置されるFMより、地震や津波に関して弱い。

・東京スカイツリーは、ツリー自体に最新の非常用発電設備を備えており、停電時にも安定して放送を継続できる(ただし、万が一発電が止まると、全てのテレビ放送、ラジオ放送(TOKYO FMを除く)が止まってしまう危険性はあるが)。

・関東の主要AM放送は、関東全域をサービスエリアとしており、災害時に地元に密着した放送を流すことが難しいのに対し、県域FM(今回の場合Bay FM)やコミュニティFMは、災害時に地元に密着した放送を流し続けることができる。

・AM放送には、緊急放送の仕組みはないが、FM放送にはJ-ALART(全国瞬時警報システム)という災害時の緊急警報システムが用意されている。
実際に、多くの地方自治体では、災害用ラジオとしてJ-ALART対応のラジオを配布したり、安価で販売しており、災害時の放送はFMを使うというのが、現実となっている。

現状、AMの明らかなメリットは、FMに比べて遠くまで電波を飛ばせるということぐらいである。

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ラジオ受信機の電池は、FMよりAMの方が長持ちするというのは確かであるが、こちらのラジオでも、同じ充電量でFMラジオで約50分、AMラジオが約75分持つということなので、FMが災害時に実用にならないということでもない。

AM放送というのは、1920年に、人類が一番最初に実用化した最古の放送方式である。
AM放送に比べて、はるかに後に誕生したアナログのセルラー携帯電話や、アナログのモノクロテレビ放送も、とっくの昔に寿命を終えている。
それに比べれば、AM放送は、よくここまで頑張ってきたと言えるが、さすがにそろそろ寿命は尽きたといわざるを得ない。

原理的に電波妨害や落雷や電子機器などのノイズにも弱いし、音質も悪い。
送信所は、電力大食らいで、送信施設も安定した巨大な面積の平地を必要として、維持費もかかる。

もし、今回の放送事故で、ニッポン放送に対し、切実なクレームがほとんどなかったのだとしたら、その切実な問題を抱えるAMでしかラジオを聴けない人を、何とか救済してあげた上で、そろそろ終わりにしていいと思うな。

関連記事:
ニッポン放送、停電で木更津送信所からの送信が停止:コンテンツって言い方、嫌いだけど:So-netブログ



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