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有料の動画配信は定着するのか? [ネット配信]

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以前は、「有料の動画配信なんてビジネスになるのかな?」と懐疑的に見ていた私だが、そろそろ考えを改める時期に来たみたいだ。

最近、覚えきれないぐらい様々な会社が有料の動画配信に手を出していて、活況を呈している。

好調フールーに広がる包囲網:日経ビジネスオンライン

定額制で始めた「Hulu」あたりが契機になった気もするが、その後、他でも動画配信で景気のいい話が増えてきたのも確か。

こうした動画配信サービスについて、ちょっと整理しておこう。

(1)通信キャリア系
IPでリアルタイムに放送を流すサービスは、技術的に通信キャリアでないと行えないので、オンデマンド配信だけではなく、IP放送も手がけるケースがほとんどだ。
NTT東西「ひかりTV」、auひかり「ビデオチャンネル」、ソフトバンクBB「BBTV NEXT」、ケイオプティコム「eo光テレビ」などが該当する。
「ひかりTV」は、デジタルテレビに受信機能を内蔵するものもあるが、基本的には、通信キャリアが提供するSTBをテレビに繋いで見るのが普通。
ただし、キャリアを問わず利用可能なソフトバンクBB系列の「T's TV」もある。

(2)放送局系
放送局はコンテンツプロバイダとして様々な配信サービスにコンテンツを提供しているが、特に、放送局の見逃し番組などのコンテンツを中心にビジネスを行っている動画配信サービスとして、「もっとTV」、「テレビドガッチ」がある。
放送局という性格上、テレビからの視聴を重視しているが、それらとは別に、パソコン向けには、各放送局で「NHKオンデマオンド」「日テレオンデマンド」「TBSオンデマンド」など、独自の配信サイトを運営している。

(3)モバイルキャリア系
モバイル通信キャリアが主体になって、スマホ、タブレット端末向けに動画配信を行っているサービスで、NTTドコモ「dビデオ」、au「ビデオパス」、ソフトバンクモバイル「UULA」「SHUUN」などがある。スティック型端末を提供して、テレビによる視聴にも進出しつつある。

(4)ビデオレンタル系
ビデオレンタル業者が、そのビジネスモデルの延長上で、オンデマンド配信を手がけるケース。「DMM.TV」「TSUTAYA TV」などがある。「TSUTAYA TV」は、BD-Rに焼けるダウンロード配信や、宅配レンタルとのシームレスなサービスなど、先進的な試みも多いが、先走りし過ぎて、あまりうまく行っていない気もする。

(5)メーカー系
テレビやゲーム機などの端末メーカーが行う配信サービスで、家電メーカーが共同出資して始めた「アクトビラ」や、ソニーが独自に行っている「video unlimited」、アップルの「iTunes Store」、マイクロソフトの「Xbox Video」などがある。「アクトビラ」は、元々テレビで見るのが主体だったが、最近、スマホ/タブレット用アプリなどもリリースし、モバイル機器での視聴にも手を広げているし、ソニーも、PS3やPS Vitaなど、様々なソニー製品が対応する。

(6)ケーブルテレビ系
CATVでは、J:COMのCATVサービスでのみ利用できる「J:COMオンデマンド」が一番利用者が多いだろう。その他の事業系列のCATVにも、同様のサービスはあると思われる。
元々はCATV事業者だったが、今はテレビに視聴機能が載り、CATVに加入しなくても見られるUSEN系の「U-NEXT」なんてのもある。

(7)コンテンツプロバイダ系
コンテンツの権利を持つ会社は、通常、コンテンツプロバイダとして、配信事業者にコンテンツを提供してビジネスするケースが多いが、パソコン向けには直接配信サービスを行っている会社も多い。「東映アニメBBプレミアム」、「バンダイチャンネル」、「ワーナー・オンデマンド」などがこれに該当する。エイベックスの「BeeTV」は、パソコン向けもあるがモバイル向け配信が中心。

(8)ポータルサービス系
総合ポータルサイトが運営する動画配信サービス。Yahoo!の「GYAO」、楽天の「ShowTime」、Googleの「Google Play Movie」、「BIGLOBE動画」などがあり、基本、パソコンで視聴するサービスが多いが、「GYAO」はテレビでも視聴でき、「Google Play Movie」はAndroid端末専用サービスとなる。

(9)動画共有サービス系
無料配信が中心だった「YouTube」、「ニコニコ動画」、「Ustream」なども、最近は、リアルタイム配信を中心に有料配信に力を入れ始めている。

(10)エロ専業系
個々にサービス名は挙げないが、大手から怪しい会社までたくさんあり、実はこれが一番儲かっていたりするのだろうな。基本、パソコン向けサービスが中心だが、最近は、プラットフォーム規制が緩いAndroid向けサービスも増えているようだ。

(11)独立系
(1)~(10)までで分類できなかったその他のサービス。米国から進出してきた「Hulu」、携帯コンテンツ配信からスタートし、テレビへの配信も手がける「GIGA.TV」などがある。

いやー、いろんな会社が頑張ってんな~。まさに群雄割拠。
もちろん、いい話ばかりではなく、激しい競争の中、「U-NEXT」はいつの間にか放送サービスから撤退してしまったし、ポータルサービス系は「goo」「NIFTY」など撤退したサービスも多い。ビデオレンタル系の「ゲオ」も、いつの間にか止めちゃったな。
長い間やっているが結局ビジネスになっていないマイクロソフトの「MediaCenter」なんてのもあるし、「Google TV」のように、世界中で注目されながらも、もはや風前の灯のサービスもある。

一方では、CMなんか見ていると「Hulu」はいやに景気よさそうだし、モバイルキャリア系も、スマホのオプションサービスとして、手堅いビジネスをしていそう。
動画共有サービスも、どこもずっと赤字だったのが、最近黒字転換しつつあると聞くし、これまでパッとしなかった放送局系も、「あまちゃん」と「半沢直樹」の見逃し配信が過去にない視聴回数を記録し、NHKオンデマンドの契約数が一気に増えたというニュースを聞いた。
東映やバンダイなどは、海外向けにも日本と同時にコンテンツ配信を行える体制を整えつつあり、それにより、日本より海外向けの配信の伸びが大きいと聞く。これまで不正視聴が大半だった海外市場に、素早く公式に現地語翻訳されたコンテンツを配信することで、今後は、ディズニーに負けない規模の市場に拡大が期待できる筈だ。

テレビをインターネットに繋いでくれるユーザーも増え、電車の中でタブレットやスマホで動画を見るユーザーも増えた今、俯瞰で見ると、日本でも、こうした動画配信サービスが、そろそろビジネスとして成立する市場になりつつあるのかな、と思う。

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